2008年 06月 27日
○ 63回・2008年 全道展 会場:札幌市民ギャラリー ・全館 中央区南2東6・(北西角地) 電話(011)271-5471 会期:2008年6月18日(水)~6月29日(日) 休み:月曜日 時間:10:00~18:00(最終日は、~16:30まで) 料金:一般?・800円(前売り・600円) 学生・? 主宰:全道美術協会 北海道新聞社 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(6・24) 沢山の作品が並ぶ公募展です。作家は一つの筋目として発表していることでしょう。見るこちら側は、別の角度から見ることになります。新人発掘という視点、ベテランの今年の創作姿勢の確認、全体のムードなどなど、いろいろとあるでしょう。総合展という性格上、見せる側と見る側の食い違いは仕方が無いでしょう。お祭り気分で、見に行ってきました。 会場風景を交えながら、好みの作品を中心に載せていきます。 ここは一般・会友など、大作のインパクトの強い作品が並ぶのだが、今年は大人しい。 やはり、入り口の印象は全体の気分を代表していたようだ。個性的というのか、強烈な印象の作品が少なかったようだ。 これです。市民会場の大広間に二段組の大作の展示、中央に今年を代表する大き目の立体作品の展示、にぎにぎしくて良いですね。 以下、会場順に関係なく、個別作品などを載せていきます。 まず、個人的に大好きな作品から。 紫が目に焼きつきますね。紫という色は表現するのにとても難しいのではないでしょうか。僕は彼女の作品を血流の世界と見てしまうのですが、この作品もそうです。健康とか不健康ということを無視し血の世界。どろどろと流れています。 小品を描いても大作を描いても、彼女の作品は魅せます。 こちらも紫が眩しい。高橋さんと違って、よりそう緑のボリューム感というのか輪郭線が、少し作為的な感じで、紫とのバランスを欠いた感じです。 それにしても彼女のもこもこ感、動き、リズム、若い生命力には驚かされます。 写真では分かりづらいのですが、上部の水平線には写実的な街並が描かれています。これが「train」からの景色なのでしょう。最近の彼女はメルヘン志向ですが、その反映でしょう。過度に心象ならず、メルヘンならず、素敵な街並です。 八木さんの洋画的な「白」は人気の的です。今回は日本画風・掛け軸を連想したくなる作品です。 本当にはっとさせられました。故郷です。等身大の理想郷です。白の動き、生き物のようです。枯れた枯淡の味の山水画ではありません。実に瑞々しい。ご主人の絵はどこか大地から遠ざかって、「勝手にイスタンブール」という世界です。彼女の絵の爽やかな粘着力、「風景」に足が付いた姿には圧倒されます。 ギラギラした漆色が良い。 漆は触るとかぶれる。あたかも、「私を触ってご覧。後が怖いですよ」と、挑発しているようだ。チョッと怖い童話の親指姫物語のようだ。物語は怖いから良いのだ。見たくないけど見たいのがドラマだ。彼女は「見れ見れ!覚悟して私を見れ!触らなくても目から漆は入るぞ!頭はかぶれるぞ!それでも見ろ!」と無言劇で叫んでいる。 縦長の長い作品が高橋さんの作品。 昨年はカブトムシだったか、リアルな普段では余り見ない高橋・作品でした。「何かあるぞ」と思っていたら、今年はこの超大作です。海を連想するはみ出た高橋・ワールドという印象でしたが、海から陸に上がってきて大きく高く背伸びしている。印象に残る一点でした。 2作品を上下に繋いだもの。横たわってはいても、多を圧する緊張感は抜群だ。 「ドルチェ」、音楽用語で「優しく甘美に(演奏せよ)」。 若い女が下半身をはだけて横たわっている姿は挑発的だ。顔は見えないが輪島氏が描く女性だから、美人の極みだろう。甘美さを超えてきつい姿態だ。髪の黒が深い、恥毛の黒がリアルだ。 氏は油彩では乱舞する色合いで躍動感や「破壊と創造」を表現する。何かにすがりつきたいような激しさだ。余りにも上手いが故に、美に頼り、音楽に頼り過ぎている感じもする。 モノトーンでは色に頼る術を避けて、禁欲に徹しようとしている。裸婦を目の当たりにした禁欲も異常だ。何を描いても美しく激しい人だ。 (②に続く)
by sakaidoori
| 2008-06-27 12:12
| 市民ギャラリー
|
アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||