栄通記

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2008年 06月 22日

670) 門馬 「藤谷康晴・展覧会 ー白昼の神隠しー」 6月20日(金)~6月29日(日)

○ 藤谷康晴・展覧会
    ー白昼の神隠しー

 会場:ギャラリー・門馬 ANNEX
     中央区旭ヶ丘2丁目3-38・(バス停旭ヶ丘高校前近く) 
     電話(011)562ー1055
 日程:2008年6月20日(金)~6月29日(日)・会期中無休
 時間:11:00~19:00
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 昨年は資料館から始まって、テンポラリーでのライブ・ドローイングで一気に年末を迎えた藤谷康晴君の久しぶりの個展。

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 刷りガラスの窓側には、昨年のライブ風景の写真集や各種の資料が並んでいます。白い世界でゆったりと過去を紐解くことが出来るでしょう。
 その前の乳白色の壁には、以下の3系統の作品が3~4枚組で並んでいます。作品の上にキャプションがあり、それらを下詰めにして黒糸の枠による意匠です。作品はかなり高めで、見上げて見ることになります。作品が観者を見下ろすという構図です。
 3系統の作品群で、僕自身のお気に入りを1枚ずつ載せます。

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 ↑:「胎動する電柱」

 一番最初にある作品。このシリーズは屋外の殺風景な風景です。この絵は中央を直線で切って、かなり異様な世界です。まさに下から見上げる構図で、十字架とも解釈できるかもしれません。
 「それでも俺は立っている」という凛々しい屹立した姿というよりも、どこか痛々しい威厳を発散している感じです。絵として中央に立たせて見せる力量に驚きます。
 全体の作品の縮図のような作品です。「白昼の神隠し」、隠される側の不安感や焦燥感、それに立ち向かう足掻(あが)きよりも、隠す側の目に見えない迫力、誇示を象徴しているようです。

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 ↑:「ショッピングモール・フィクション」

 この作品は、今年二月の市民ギャラリー「札幌美術展」への出品作品。その時の「アンニュイ・タウン」「かまいたち」が今展の一塊のグループ。屋外の殺伐とした風景から、街や店舗内での神隠しの世界に移動します。
 この写真作品も大好きな作品です。エレベーターの描写が周りの風景とムードを異にしていて、ぼやけた妖しげなのです。別の世界、その世界の入り口とい説明を必要としないくらい、絵の表現力で語っています。


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 ↑:「猥雑なボクサー」

 今までとはうって変わって激しい絵です。サイケデリックな装飾性を伴った、獣達の乱舞する姿を想像しました。隠された者達は彼等の生贄になったかもしれません。

 昨年のライブドローイングとはかなり違った印象を受けました。その時、藤谷康晴君はライブという支持体の前で、計算と情念の狭間で「行為」をしていた。描かれた線やいろいろの姿は行為者の反映として見ることができた。今展との比喩で言えば、神隠しという状況での隠されるものの痕跡として捉えることが出来る。今展は、主客が逆転して隠す側の力・論理が明るい部屋の展示作品を覆っていた。


 後ろの暗い部分にはDM作品を含めた大きな作品が2点、小品が多数並んでいます。DM作品は今展の代表作と言っていいでしょう。フリーハンドの線や曲線、画面を横断する直線、模様に隠された名も無き生き物達。必見だと思います。

 今展では次の方向性として、漫画をしっかりと描いていたことでしょう。彼の出発は漫画だった。理由はともかくとして、漫画を書くことに封印していたようだ。浮世絵風の意匠を利用したりして、漫画が大きく闊歩し始めました。作品としての余白の処理に苦心しているようですが、実作を重ねていけば藤谷流の形になって僕達を喜ばせてくれるでしょう。


 なを、会場は撮影禁止です。この写真は作家の同意の下の掲載です。掲載許可、有難うございました。

by sakaidoori | 2008-06-22 22:05 | 門馬・ANNEX | Trackback | Comments(0)
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