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栄通記

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2008年 06月 14日

657) アトリエ・ユー(ケーキ屋さん) 「鈴木悠高・油彩常設店」

 店の名前:アトリエ・ユー(洋菓子他のお店)
 場所:札幌市中央区南20条西12丁目1-26 ・(南北に走る道路の東側)
657) アトリエ・ユー(ケーキ屋さん) 「鈴木悠高・油彩常設店」_f0126829_11212029.jpg 時間:10:00~20:00

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 書きたいことが山ほど増えたのですが、一つ一つ書いていくことにしましょう。人生に宿題ばかり残すのが私の人生ですから、ブログもそうなるのも仕方がありません。

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 まずは、今日の爽やかな天気のように「マイ・フェア・レディー」から始めましょう。
 すいません、つまらない冗談から入りました。先日の市民ギャラリーの「抽象派協会展」に若手として参加していた鈴木悠高君の店舗内作品の紹介です。

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 この店は鈴木悠高(ゆたか)君のお母さんが経営しています。そこにお兄の作ったケーキを中心にした洋菓子と、悠高君の作品が展示されているのです。お母さんご自身のパッチワーク作品を中心にしてお店を始められたそうです。それがどういうわけだか、子供たちに「ひさしを貸して母屋を捕られる」ことになったのです。子供孝行しているのです。でも、店の雰囲気がおとぎの国のお菓子屋さんになっています。僕も、悠高君の作品を見に行く目的でなければ、とても気恥ずかしくて、入れないような、可愛いお店です。なかなかこんなに絵本のように装飾したお店も珍しい。
 ちなみに、ケーキ職人の長男君はグランドホテルのパティシエを辞められた方で、知る人ぞ知るお洋菓子屋さんだそうです。

 ついつい甘い話をしてしまいました。宣伝というのではなくて、今回の鈴木君の絶対?絵画のような抽象画鑑賞には場の雰囲気の説明は欠かせないのです。想像してみてください。彼の絵は無機質な都会のインテリア壁面に飾っても似合う。美術館の若手紹介の企画展に並べても、見劣りはしない。そして、そこでは気付かないような絵の性格が浮かび上がってくるのです。何と言っても、お菓子と似合う。赤ならば強すぎて、お菓子が負けそうだ。黄色はゴッホの画集の激しさを思い出してしまうが、この作品は明るく暖かい。若さの持つ緊張感がある。
 ゴッホの原作の黄色いヒマワリを近美で見たが、清々しい色で、激しさなど微塵もなかった。悠高君の黄色は、若さからくるエネルギーが発散しているので、「清そ」には遠い。そこに行くまでには人生の長い時間を必要とするかもしれない。それだけに却って、甘い臭いのする部屋に、黄色が飛び跳ねようとしていて、お菓子のいろいろな色と絡まって、いっそう明るく暖かい気持ちになってしまう。若いお店になってしまう。

 鈴木悠高はその気になれば、映像や音楽を取り込んだインスタレーション的表現もできる青年だ。若い人なのに、あえて枠の絵画に、色に、画質感(マチエール)に特化して表現している。後期印象画と呼ばれる画家に立ち返って、絶対絵画を模索しているようだ。
 遠くから見れば黄色の下の隠された色達やその塊が、雲のように流れて拡がっていく。
 近くで筆跡を見れば、優しいという言葉には程遠く、格闘の刷毛目が残っている。神経質と言っていいのかは分からない。僕自身、他の方の作品の絵の表面を、もっと見なければいけないと痛感した。

 クラシカルな絵だと思う。鈴木悠高は腕・筆・色ともがいているようだ。黄色を中心にして。

 作品が入れ替わったら、また、載せたいと思います。


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by sakaidoori | 2008-06-14 11:14 | ★その他


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