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栄通記

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2008年 06月 08日

650) 市民ギャラリー 「第26回 一線美術協会北海道支部展(一部)」 終了・5月14日(水)~5月18日(日)

○ 第26回 一線美術協会北海道支部展(絵画)

 会場:札幌市民ギャラリー 
     中央区南2東6(北西角地)
     電話(011)271-5471
 会期:2008年5月14日(水)~5月18日(日)
 時間:10:00?~17:00?(最終日は~16:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーー(5・18)

 作品の写真掲載許可も頂かなかったので、川上直樹作品で考えたことと、竹津昇作品の写真の紹介だけにします。


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 ↑:川上直樹、左から「風韻の碑」、「柘榴と燈明」、「星置川の堆雪」。

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 ↑:「風韻の碑」

 川上直樹は一昨年から道展の公募作品の為に大作を描いている。一昨年の出品作が「星置川の堆雪」で、昨年は上の「風韻の碑」。残念だが共に落選した。新たな発表の機会と研鑽・交流の場として、この全国公募団体の一線美術協会を選んだようだ。

 「風韻の碑」、本人のブログ写真で概容を知ってはいるが、初見だ。
 その時の印象は風景の立体表現を避け、意図的に平面化すること、そして水辺(小樽運河?)に写るという表現で、それはマチエール(画質)の深みにも支えられているのだが、絵の深みや精神性を表現しているのではと理解した。

 画質感はそれほどでもない。当然、深い精神性は実現されていない。むしろ、この絵の魅力は、個々の表現、全体を包むムードが何とも言えない可笑しさやヒューマニティーが感じられることだ。それは作家が意図したものではないだろう。あまりにタイトルの緊張感とは反しているから。

 中品の「柘榴と燈明」など、昨年来見てきた中品はやや誇張気味なところはあるが、静寂の中での精神性を求めていたと思う。その密度のままに大きな作品を作ることは至難だから、小物の配置、全体の構成や色のバランス、線の力などを借りながら、深みのある世界を使っていかなければならないだろう。
 ところが、この大きな絵になると、川上直樹自身の性格が正直に出ているような気がする。師の理知的な緊張ある空間を自己のものにすべき闘っているかもしれないが、でてきたものは相反したものになっている。
 この絵には静かな物語が詰まっている。小人達が群れて語らいながら、箒に向かっているようだ。水面にはひょっこりと波を立たせて尻尾が出てきそう。ギギギーと、戸が半開きして、汚れた顔の少年が覗きかけている。慈愛ということばは誇張かもしれないが、ヒューマニティーを感じる。
 緊張感よりも、静かな可笑しさに満ちた絵だ。描きたいことよりも、川上直樹自身が素直にでてきた世界だ。
 「描きたい事」は技量不足によって出てこなかったのか?願望が過ぎて出てこなかったのか?僕にはこの絵は魅力的だ。


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 ↑:竹津昇

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 ↑:「窓の風景」

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 ↑:「彼の領分」

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 ↑:「納屋の中」


 毎年スペインに絵画取材に行かれる竹津さんです。今年はあいにくのパス。自分ごとのように残念です。今回は写真だけです。今後も、出品の折にはコメントはともかくとして、写真だけは載せるつもりです。

by sakaidoori | 2008-06-08 20:13 | 市民ギャラリー


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