2008年 05月 20日
○ 写羅 SHARA Vol.1(写真展) 会場:ギャラリーたぴお 中央区北2西2・道特会館1F (中通り・東向き) 電話(011)251-6584 会期:2008年5月12日(月)~5月17日(土) 時間:11:00~18:00 【参加作家】 EISHIRO.W KOHK.F SUSUMU.T YOHKO.O YUKI KYHJI.H ーーーーーーーーーーーーーーー 6名による写真展。「写羅」・・・「栄通記の案内板」に「羅」に拘って漢字の字義を考えたが、「シャラ」はシャラクやシャレにも通じて、言葉遊びの意味もあるのだろう。今度、オーナー・林教司さんにお会いした時でも、話しの種に伺ってみよう。 6人の異なるアプローチで色のある展覧会だった。展示方法、白黒とカラー、被写体の違い、被写体との距離感、今風・心象模様・エロス・海外の風景・風景一般・・・たぴお的表現を借りれば、「非連続的連続空間」ということになろう。 ○ YOHKO.O。 おそらくパソコンに明るくにぎにぎしく沢山集合させたのだろう。なんといっても色の華やかさが良い。この技法は写真の一枚一枚にこだわることなく、個々の色とイメージが全体を作り、全体のイメージが個々を制約するということだろう。 とりあえず全体のムードから入っていく。この場合は色爛漫の南国調で、その楽しい気分で個々の作品を、宝箱の中身をひっくり返すようにして楽しむのだ。個と全体のイメージと具体性。全体のムードに反した作品もさらりと取り入れられたりして、ギャップ効果も作家の意思の反映であろう。 ○ YUKI、「hole」。 見て分かるように、セクシャルな画題とタイトルだ。綺麗な撮り方だ。どんな被写体であれ、この撮影者にとってはこのテーマは可能だろう。穴、セクシャルではあるが何かしら深淵を見る目を感じる。物自体にひそむ、秘部の闇、深さ。それを成り立たせる男と女の接点の危うさ、つまずきの入り口でもある。 ○ KOHK.F。 インスタレーション風展示。会場に変化をつけている。デザイン的感覚で、「この作品を見よ」というよりも、全体の調和の中でたたずんでいる。 ○ KYOUJI. 林さんがインド?旅行に行った時の写真でしょう。セピア色が古拙な感じです。 彼は仏教関係者でもあるから、修行の一環かもしれない。右の写真、クリックすれば大きくなるのですが、中央の男性は若かりし頃の林さんでしょうか?背景は土饅頭です。お墓です。樹木は菩提樹で、立っている女性がスジャータだとしたら、合唱している林さんは悟りを得た釈尊になります。鹿野苑(ろうやおん)で初転法輪(しょてんほうりん・釈尊が初めて四諦八正道を説いた行跡)をしているところか、子供達は純真な気持ちで教えを請う人達の象徴かもしれない。 ○ EISHIRO.W(渡辺英四郎)。 渡辺さんらしいシンプルな色合いと構成美と、異国情緒のある写真です。春らしく花が画面にしっかりと配されています。中年男性のカメラの目と、写真の中の二十歳前後の若い女性のいる空気感、そんな調和を感じます。 ○ SUSUMU.T(為岡進)。 ↑:左側、「朝日に輝く打瀬船(尾岱沼)」、「朝日に輝く水面(然別湖)」 オーソドックスですがしっかりした自然美。 海、船、朝日と夕日、どれをとっても気になることばかり。 「人は何処から来て、何処に行くのか?」そこにロマンティシズムを見る人がいるかもしれない。ドラマを見る人がいるかもしれない。哲理の始まりを見て取る人もいるだろう。 「私という存在」は、人という「種」にとっては生まれるべくして生まれたのかもしれない。だが、「種」にとっては個々の生命は省みない時がある。 「個」としては「生まれる理由」は生前には与えられていない。若い時には「何故」と問いて悩みもした。歳とともに考える力は衰え、時間だけが過ぎていく。 「生きることの意味」の前に、自然はいつもそこにある。
by sakaidoori
| 2008-05-20 12:17
| たぴお
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アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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