栄通記

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2008年 04月 28日

615) 春の旅① ー宮島沼

 渡り鳥マガンの泊り地宮島沼。ねぐらからの飛び立ちを見たくて、沼の駐車場で一泊した。

 一週間ほど前にマガンのねぐら入りを見た。日没前後から東から南から南西からV字に隊列を作って沼に帰ってくる。ただただ意味もなくあごを上げて、鳥達の飛行隊を見るのだ。完璧なV字形とは言えず、やっと帰ってきたという感じで乱れている。最後はバタバタと慌てるような姿勢で湖面に着陸する。飛行機は離着陸がもっとも危険だと聞くが、どうやら鳥も同じのようだ。
 初めて見る人はあまりの多さに歓声を上げる、見慣れた人は今年の飛来数などを教えたりして、例年との比較を語っている。見学地の反対側からマガンの占める影が増えていくのだが、暗さが増すにつれ手前に押し寄せて鳴き声も一層盛んになる。鳥の数は増えるのに反し、辺りは暗さが増していく。見物に気を取られて、時間の経つのを忘れるが、暗闇に月が昇り、鳥のうるさい鳴き声から距離をおいた時、心にあれこれといろんな思いが湧いてくる。

 ねぐら入りを見たのは一週間前だった。ある人のブログから朝のねぐら立ちの様子を見ることができた。他人の体験を羨んでいても仕方ない。急に自分自身も見たくなった。
 この日は既に鳥の数も減っていた。例年にない暖かさで、多くの鳥がユーラシア大陸の東端をを目指して飛び立ったのだろう。

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 廻り合わせとは面白いものだ。現場で若きカップルに鉢合わせた。遠目に女性の振る舞いが目に飛び込んできた。天真爛漫な笑顔だ。見覚えがあったので、近づいて顔をまじまじ見ればやはりそうだ。実はその彼氏のブログがきっかけで、今宮島沼に僕はいるのだ。折角だから、ツー・ショットを一枚撮ればよかったな。


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 4時起床。沼の傍のネーチャー・センターでトイレと顔を洗って、曇天の中で鳥の飛び立ちを待つ。情報では3回くらいに分かれての出発ということであった。残念だが、一斉にスタートということではなかった。大きなまとまりとしては5回ぐらい、適当な塊で何度でも飛び立った。それでも、その瞬間の羽根音のうるささが刺激的だ。彼らの意気込みのようなものが、朝もやの中で清々しい生気として伝わってくる。

 昨日の太陽だけの茜色と同様に、朝焼けで東の空が七色に覆われることはなかった。できれば秋にまた来よう。


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by sakaidoori | 2008-04-28 18:43 | ◎ 旅・飛行機・船


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