2008年 04月 20日
○ ウリュウ ユウキ写真展・「春を迎えに行く」 chapter2ーそして春は 会場:モエレ沼公園・ガラスのピラミッド内2階・アトリウム2 東区モエレ沼公園1-1 電話(011)790-1231 会期:2008年4月20日(日) 時間:13:00~17:00 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・20) 半日限りの写真展。 その中に公開展示風景と、公開撤去風景も入っている。階段状ではあるが単に写真を並べた風変わりの写真展ともいえるし、展示過程を公開するという意味ではパフォーマンス展ともいえるし、この日この時間の一回限りという意味ではインスタレーションともいえる。 定義は定義として、好天に恵まれ初夏のような雰囲気、多くのお客さんに恵まれ、充実した展示会だったと思う。 開始から1時間程いたので、紹介と雑感です。 先日まで琴似のカヘェバー「ラジオ&レコード」の展示会作品と、未発表を合わせた30点ほどの展示会。あらかじめシュミレーションしているはずだから、展示は順調にすすみ30分ほどで終わった。準備していたとはいっても、ウリュウ君は汗をかきかき、相当緊張していた。 被写体はモノクロで雪と雪景色がほとんどだ。 会場には撮影者の言葉があった。それには信州生まれということ、新潟育ちということ、東京に少し住んだが雪がなくて寂しかったこと、札幌に住んで北国の雪に会えたこと、その白い景色は春を迎える雪(冬)だと謳っていた。 今日の天気は春真っ盛りで、光が燦々と作品に当たっていた。冬を懐かしむ感じの作品展にもなっていた。その分、普段の展示会とは違った、雪への撮影者の暖かい声が聞こえてきそうだった。 階段状に作品が置かれているから、なんとも手にとって作品に接する感じで見ることになる。 雪のある風景の空気感、それが表現の大きな柱だと思う。雪と背景、雪と物との関係で表現されたり、直線に区切られた窓からの覗きとして表現されたりする。雪景色全体のボリューム感や、表面の雪質感にどことなく人間臭い暖かさを保っている。 雪の表面だけを撮った作品が多数あった。空気感や質感を超えて、雪(対象)そのものに迫ろうとしている。線の構成美やロマンとは一線を画した、強い撮影者の「目」を感じた。撮影者自身のストレートな主張ともとれる。今までとは違った新鮮な驚きだった。 ↑:僕はウリュウ作品の直線的構図に惹かれる。右の電信柱、左の作品と一緒になって見るのが良い。どこが良いかというと・・・。 鑑賞の後にモエレ山に登った。沢山の人がいた。ウリュウ君の展示会場のピラミッドの館を眺めた。不思議なものだ。たかだかそこには30枚ほどの写真が並べているだけなのだ。なのに、作品達の真ん中にウリュウ君が真っ直ぐに立っていて、その彼が作品を睨み返している様子が想像される。 藤谷康晴ドローイングに、ウリュウ ユウキは触発されての展示会だ。藤谷君はエネルギーを会場の窪んだところに充満させて、爆発点を見つけるようにもがいていた。ウリュウ君はその目が作品に注ぎ、館のガラスを真っ直ぐに突き抜けてモエレ山の僕をも睨みながら微笑んでいるようだった。 それは春の陽気の妄想のような一時だった。
by sakaidoori
| 2008-04-20 22:34
| ☆モエレ沼公園
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アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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