栄通記

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2008年 04月 18日

608)市民ギャラリー ③「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日)

○ ’08 第35回北海道抽象派作家協会展

 会場:札幌市民ギャラリー 
     中央区南2東6(北西角地)
     電話(011)271-5471
 会期:2008年4月15日(火)~4月20日(日)
 時間:10:30~18:00(初日は13:00~、最終日は~17:00迄)

 【出品作家】
 同人: あべくによし(旭川) 今庄義男(岩見沢) 後藤和司(札幌) 佐々木美枝子(札幌) 近宮彦爾(旭川) 外山欽平(函館) 林教司(岩見沢) 三浦恭三(小樽)・・・以上、7名。

 一般:石川潤(江別) 岩田琿(七飯) 甲斐野弘幸(札幌) 草野裕崇(江別) 笹岡素子(江別) 渋谷美智子(札幌) 鈴木薫(札幌) 鈴木悠高(札幌) 名畑美由紀(札幌) 宮川市子(札幌) 横山隆(札幌)・・・以上、10名。
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○ 第二室
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 (第一室同様、右回りに書いていきます。普通に並べれば左回りが人間の生理にあっていると思います。実際、第一室の作家毎の作品展示は左回りが大半でした。ですが、ここの会場構成が出入口の関係で右回りに向いています。個々の作家の意思と人の流れがミスマッチなのが、市民ギャラリーの欠点です。)


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 ↑:同人・三浦恭三、上から 「浮遊 3・4・2」・全てF100。(他に同じような青系の作品が一点あります。)

 本当に青の水色が綺麗だ!水そのものと理解している。縁取りをお洒落に色分けしている。こういう作品は見て綺麗だなーと思ったら充分だ。水の中に抽象模様が遊んでいる。青色だけでは寂しいので、緑を共にしている。青と緑が早春を奏でている。画家は年配の男性だ。男の美にはほのかなエロスがつきものだ。だが、残念と言うべきか、素晴らしいと言うべきかエロスが無いではないか!
 三浦さんは以前は循環など、やはり水を想起するような抽象絵画を描いていた。失礼だが、色の薄さに反して理念的で面白味に欠けていた。今展、何という変身だろう!「水の具象画家」と言っても全然おかしくない。


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 ↑:同人・後藤和司、「’08 春のscene」・M100×3 (下は左の作品の部分図)。

 後藤氏は最近はこのシリーズだ。織物のような色のグラデーションの世界。無味乾燥な極小アートとは似て非なる世界。ミクロの世界に迫りつつも、全体の美を常に保っている。この織物のような蜘蛛の巣的美の世界に木の葉が舞い散るような絵を描いたりしていた。今回はあまり細かいことには拘らない、そのまんまの静謐な絵だ。
 三浦氏が後藤氏の仲間に入った感じで、後藤氏の美の世界が膨らんで見える。


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 ↑:一般・渋谷美智子、上の右から「2008-Ⅰ Ⅱ Ⅲ」・F100 F60(下の写真作品) F60。

 色は中間色、あっさりした大き目の抽象記号を重ね合わせ、盛り上げ、抽象の何たるかを研究しているみたいだ。ざっくばらんと言うのか、おおらかな気分が伝わってくる。


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 ↑:一般・鈴木悠高、「Yellow2008」・116.7×700.2cm。(Sサイズ6枚の組作品。)

 幸い鈴木悠高君は数年前から見続けているので、今展で見たかった若手の画家だ。今展は昨年の個展時の作品を連作という形で再発表したもの。僕はその時の個展を見れなかったので、二度楽しめた。
 若さのある画質感の中に、これまた若さの象徴である情動をいかに付加するか、あるいは滲ませるか、そんな風に作品を見た。気分はモネの中にゴッホを取り込みたいのではないか。ただ、ゴッホのようなストレートな激しい筆跡は好まないようだ。筆跡を残さない薄塗りの重ね絵は今のところ論外のようだ。
 そして色全体のパワーで何かを表に出そうとしているみたいだ。
 強い情動の持ち主だと思う。それを抑制するような気質の画家でもなさそうだ。彼の色との闘いは結構見ていて楽しい。どんな風に進むのかはわからないが、興味のある作品と人間である。秋には時計台で個展をすると言っていた。今展と似た作品かも知れないが、人間と一緒に載せたいものだ。
 
 
 (④に続く)

by sakaidoori | 2008-04-18 23:40 | 市民ギャラリー


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