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栄通記

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2008年 04月 17日

603)市民ギャラリー ①「’08 第35回北海道抽象派作家協会展」 4月15日(火)~4月20日(日)

○ ’08 第35回北海道抽象派作家協会展

 会場:札幌市民ギャラリー 
     中央区南2東6(北西角地)
     電話(011)271-5471
 会期:2008年4月15日(火)~4月20日(日)
 時間:10:30~18:00(初日は13:00~、最終日は~17:00迄)

 【出品作家】
 同人: あべくによし(旭川) 今庄義男(岩見沢) 後藤和司(札幌) 佐々木美枝子(札幌) 近宮彦爾(旭川) 外山欽平(函館) 林教司(岩見沢) 三浦恭三(小樽)・・・以上、7名。

 一般:石川潤(江別) 岩田琿(七飯) 甲斐野弘幸(札幌) 草野裕崇(江別) 笹岡素子(江別) 渋谷美智子(札幌) 鈴木薫(札幌) 鈴木悠高(札幌) 名畑美由紀(札幌) 宮川市子(札幌) 横山隆(札幌)・・・以上、10名。
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 1階2室を使った展示会。

 今年の特徴は、同人以外で比較的若い人達が初参加していることだ。彼らは協会の求めに応える形をとっているが、時機にかなった試みだと思う。同人・一般、一般同士と良い刺激になったようだ。

 会場雰囲気は壁面作品を中心にして、静かで落ち着ちついたものになっていた。同人の画質感の豊かさに比べると、一般の拙さは歴然としているがそれは仕方が無いだろう。まさしく一般にとっては広い会場で他者と比較されることで、自己主張よりも自己研鑽の場になっていた。それにしても、「抽象」ということばにある無手勝流の斬新さは影を潜めて、色そのものの深みに迫る作品の多いことか!

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 第一室はとても広い。空間を生かした大胆な展示になる年もありも、その美術空間は個人的にはかなり期待している。残念だが、大胆な空間というには程遠かった。その代わりに次の第二室同様に作品をジックリみせる展示だった。
 コメントにばらつきはありますが、各作家の写真紹介をして行きます。

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 ↑:一般・笹岡素子、(無題)・300×400cm。

 座布団のような一つ一つは関心を引くのだが、全体の構成というのか構築は僕にはピンとこなかった。パーツの自由さ軽やかさと、一つに纏め上げようという作家の意思が乖離しているような感じだった。


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 ↑:同人・近宮彦爾、(ノンタイトル)・F150。

 なんともヒョウキンな作品だ。絵の深い青、輪郭線を兼ねた蛍光管の光ライン。光がバックの絵の色に深みを与えて、光もバックの青に染まりシンプルな今風作品。光ラインも生きているような動きを感じる。good!


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 ↑:同人・今庄義男、「古里 19・20・20」・全て300×180cm。

 (全然写真の再現度は悪いです。高感度にするのを忘れてしまった。)
 魅入られる世界だ。3点、似てはいるがそれぞれに味わいがある。今庄ファンでも好みの分かれるところではないか。
 シンプルな味わい、マチエールやグラデーションを追求した深み・凄み、いつになく輪郭線を枠からはみ出して動きを求めたりと、バリエーション豊かな作品群。
 静かな望郷の世界とでもいうのか、心突き動かされる。


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 ↑:同人・外山欽平、「Key」・584×876cm(F100の10枚組)。

 この時機に協会展の全作品を使って、時計台ギャラリーで個展をしている。その時は一点一点の鑑賞と、個別の関係を見せる場になっている。
 ここでは全てを一堂にして全体で何かを表現している。僕はこちらの方がとても好きだ。なぜなら、こんな風に大きく作品構成を見れる機会など無いではないか。

 外山氏は「A」から描き始めて今年は「k」で、11回目。アルファベットにどういう意味があるのかは知らない。
 二つのことを想像している。
 画家は何かを描くように宿命付けられているが、抽象画家にとって具象を選べない。それは深刻な問題を秘めていると思う。そこを「アルファベットを描く」ことで開放されているのではないか。
 そして、これは失礼な想像だが、年齢を考えた時、死ぬまでに一つの完結した姿で描き上げるのに、26文字、26年間はいい区切りと思ったのではないか。


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 ↑:一般・石川潤、「海に浮かぶ地球(ほし)」・F150。(他に「帰する日」、「生命の旋律」)

 几帳面にギラギラと画家自身のエネルギーをぶっつけた絵画だ。同人達の濃密なあるいは素直な画質感とは違い、輪郭をはっきりさせた色の組み合わせ・関係、そこからの色のエネルギーの発散に意を注いでいる感じ。


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 ↑:一般・甲斐野弘幸、「跫音 08-3」。(他も「跫音 1・2」)。

 ざっくばらんな色面構成。画質感はそれほどでもない。寒色系の色を足音、靴音のように貼り付けていって、何かのムードを伝えようとしている。

 ②に続く


 

by sakaidoori | 2008-04-17 23:32 | 市民ギャラリー


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