栄通記

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2008年 04月 15日

598) 大同ギャラリー「森謙一・個展」 4月10日(木)~4月15日(火)

○ 森謙一・個展
    
 会場:大同ギャラリー・全室
    北3西3 大同生命ビル3F4F・南西角地 駅前通東側
    電話(011)241-8223
 会期:2008年4月10日(木)~4月15日(火)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00迄?)
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 明日までです。とりあえず会場風景を載せます。3階、4階全室を使ったモノトーンの世界です。画題は3階は「裸婦」、4階は「水」です。迫力充分です。

○ 3階
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○ 4階
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 この個展の魅力は、森謙一の絵に対する思い、情熱がストレートに伝わってくることだ。

 画家はテーマ(画題)を絞って、徹底的に追求している。
 3階のテーマは裸婦としての人物。デッサン風の人物が、暗い背景の中でうごめいているような表現。「悩める人間の姿」を虚飾を廃して迫ろうという態度だ。だが、沈うつな画面とは違って、よく見れば人物描写はオーソドックスだ。それは明治時代以来の西洋絵画を学んだ先人の足跡を色濃く残している。そういう意味では人物描写にオリジナルは少ない。描写そのものではなくて、背景との空気感の中で人間にどう迫りきるかにあるようだ。
 4階は風景画とは一線を画した「水」の世界だ。それは川となり海となり生成流転する様であり、東洋の山水画の精神を現代絵画の中で表現しているようだ。

 画家は一念発起して、画家修業のためにパリに学んでいるという。修行であると同時に、自分の可能性を異国の地で試そうとしているのだろう。
 西洋絵画を学んだ人が西洋に行って真っ先に思い悩むことは何か?想像するに、日本でしてきたことをストレートに発表しても、西洋人は興味を示さないことと思う。彼らは西洋に無い物を非西洋人に求める。まさしくドラキュラの如く、他人のエッセンスを取り込んで自己表現の糧にしているのだ。かの地で成功した日本人画家はその辺を自己消化して作品化していった。
 森謙一の場合は「川」に託して、「人物」へのこだわりでは表現できない事にチャレンジしているようだ。それは、「西洋の知と東洋(日本)の精神」の森謙一的融合だろう。成功するかどうか?それは今始まったばかりだ。
 何よりも森・絵画の魅力はそのエネルギッシュさ、ひたむきさだ。好感を覚えるてんでもある。画家の「これを表現したい」という意図的な思いとは別に、このエネルギーが次の何かを生むかもしれない。
 日本画の千住博のような「静謐で内にこもり、何かが誕生するような美」とは違う、「川の美・哲学」を森謙一は表現していくのだろう。彼のエネルギーが作品の可能性を秘めているような気がする。

※1969年 札幌生まれ
  1994年 北海道総合美術専門学校・油絵科卒
  2007年 ヴェルサイユ美術学校・絵画科卒


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by sakaidoori | 2008-04-15 00:00 | 大同


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