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栄通記

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2008年 04月 08日

591)時計台「中田絵美・大場優子展」 終了・3月31日(月)~4月5日(土)

○ 中田絵美・大場優子展

 会場:時計台ギャラリー 3階G室
    北1西3 札幌時計台文化会館・中通り南向き
    電話(011)241-1831
 会期:2008年3月31日(月)~4月5日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(4・4)

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 一月前に資料館(⇒こちら)で同じように2人展を開いた二人だ。学生2人展を続けて読まれる方には面白くないかも知れません。こちらの方はことさら深い思いがあるというのではないのですが、こういう縁もギャラリー廻りの楽しみの一つ、「縁深まれば、見るのも更に楽し」という心境です。


○ 大場優子
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 ↑:「家族と」・F100・油彩 キャンバス。
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 ↑:「家族と共に」・F100。
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 ↑:「人々」・M100。

 会場プロフィールに道展出品歴を記してあり、おそらく全部公募展に応募した作品だろう。資料館の展示とは違って、普段大場さんが絵画で追求している姿の展示だ。

 大場さんは「人間」を描く。裸体ということから、社会化以前、あるいは社会化直前の人間群だ。「画家自身ー家族ー社会」とストレートに視野を広げていっている姿が窺われる。裸体、背景と全ては似たような色で、青春色といえばいいのだろう。人と人との関係は技術の拙さか、孤独や不安、人間不信という表現まではいたっていない。関係としての人間よりも、群像の個としての人間という表現だ。そこに絵画としてのリズム感、色の視覚効果で画家自身の人間観を表現している。
 家族画には父親はいない。父権無き人間関係を見詰めたいのか?女を見詰めたいのか?どこかユーモラスで、ぞんざいな人体が面白い。人間群、人間関係に関心のあるのが好ましい。
 100号・4連作ぐらいの大作に挑んだらいいのだ。大きな群像画、立ち込める人間心理の機微の描写、絵にすべき画題はたくさんある。


○ 中田絵美
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 (タイトルと作品関係のメモが不備でしたので、最後にまとめて列記します)

 作品傾向は資料館の2人展と同じ。見る側からすれば似ていると一言で終わりそうだが、中田さんはこの様式にはまっていて、他にしたいことを抑制して励んでいる。画家だし、若いから他の色も使いたいだろう。相棒の大場さんは大作では似たようなことをしているが、しっかりと色んなことを裏で励んでいて、その成果をポンとある時に大作に表現する。そういうフットワークの良さがある。
 その点、中田さんは頑固だ。黙々とサイコロを作って、着色して、燃やして茶色を付けて、イメージに合わせて作品を並べて、一人あれやこれやと悶々としていく。
 僕は彼女の色が好きだ。前回も書いたが、若々しい色だ。ピチピチした発散する力、躍動感を思う。燃やして出た色も、廃墟や滅びの美学よりも、「燃やされても生きている」というたくましさを感じる。
 
 こういう様式はマンネリに陥る危険がある。自己満足という落とし穴がある。そこをどうするか。それはまだまだ先だろう。自己抑制心と追求心に期待しよう。道展に参加しているという。秋の展覧会を見る楽しみがひとつ増えた。

 ・「個々」、60×20cm 幅20cm・シナベニヤ ジェッソ 蜜蝋。
 ・「繫がり」、160×160cm 幅20cm・シナベニヤ ライトモデリングペースト。
 ・「通過」、90×20cm 幅10cm・同上。
 ・「ひとつ」、20×200cm 幅10cm・・シナベニヤ ジェッソ 蜜蝋 ライトモデリングペースト。
 他

by sakaidoori | 2008-04-08 21:06 | 時計台


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