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栄通記

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2008年 04月 06日

588)STVエントランス・ホール 「美水まどか・展」  3月31日(月)~4月20日(日)

○ 美水(よしみず)まどか・展
    「雪の果」

 会場:STVエントランス・ホール
    中央区北2条西2丁目STV北2条ビル・ホール 
    電話(011)207-5062
 会期:2008年3月31日(月)~4月20日(日)
 時間:月~金 9:00~18:00
     土・日  9:00~16:00
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 「造る、閉じ込める、拡がる」、そんな展示であった。

 造るとは紙を造ること。会場は「紙を見せる場」と言い換えてもいいかもしれない。何かの紙を溶かして漉かしてできた手作りの紙作品、これが原点だ。どこか職人的に支持体そのものに拘る。紙は自分の体・感性の一部だろう。間違いなく自分自身の延長・分身ではあるが、紙の誕生は水を使ったり、風に当てたり、時間も必要であろう、自分以外に何かが付加される。その付加された「何か」をあらためて視覚化されたものが、今展の作品だ。付加された「何か」と対話すること、確認すること、自分自身が紙に込めたい思いと紙そのもの表情と重ね合わせること、美水の作品はその結果だろう。

 紙という箱に宝物のように何かが内包されている。それは着色され、重ねられて、絵のようにに収められて、僕達は見ることになる。グレーがかった厚手の紙は何層にも重ねられ着色されている。綺麗な色のグラデーション。色と紙の重なりは層に見えて、大地の地層の時間軸に見てしまいたくなる。濃い色は激しく美しい。

 時間への回帰、凝縮点へという意識の方向性と対のようにインスタレーションの紙の広がりがある。空間の広がりは擬似自然のようだ。画家自身の運動感覚とでもいうのか、縮むことだけの美を拒否する意思を感じる。静かに低く床に広がり、見る人の足元を支えようとしている。

 それにしても総合タイトル「雪の果」とは不思議な命名だ。雪の果てとは、溶けて流れて、春の訪れだろう。果実としての雪と見るならば、雪そのものが結実した姿だろう。それはどんな姿というのか。画家は結晶・重なり・拡がりとして見ているのだろう。

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 ↑:「時層」。
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 ↑:「雪の果」・インスタレーション。
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 ↑:「雪の果 a・b・c・d・e」
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 ↑:エレベーター前の風景。

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 ↑:左から、「syu」、「雪の果」。

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 ↑:「ao」。


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 ↑:「sakura」。

by sakaidoori | 2008-04-06 14:50 | STVエントランスホール


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