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栄通記

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2008年 03月 17日

561)ギャラリー・エッセ「澁谷俊彦・展」 終了・3月4日(火)~3月9日(日)

○ 澁谷俊彦・展
     ー森の雫08ー
       
 会場:ギャラリー・エッセ
     北区北9条西3丁目9-1 ル・ノール北9条ビル1F(西向き)
     電話(011)708-0606
 会期:2008年3月4日(火)~3月9日(日)
 時間:10:00~19:00(最終日は17:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・7ー3・13携帯)

561)ギャラリー・エッセ「澁谷俊彦・展」 終了・3月4日(火)~3月9日(日)   _f0126829_14213756.jpg


 会場の特徴が今展の語りの大部分を占めるかもしれない。

 場所はJR札幌駅北口から北に歩いて数分、西に歩けば北大正門が直ぐだ。目の前の道路も片側2車線と広く、札幌を知らない人はビル街、繁華街と想像するかもしれない。残念ながら、この辺りは北大の関係者はいても、あまり開けてないところだ。
 今後の発展を期待するかのような立派なビルの一階にギャラりーはある。どこか間延びのした広い道路に大きな窓を向けて、外から丸見えだ。その窓に負けずに中の空間は広い。外光を一杯に受けた綺麗なフローリングの床、だだっ広い展示空間だ。近代的都会の清潔な憩いの空間、と言ったところだ。

 澁谷氏の場としての狙いは「人との触れ合い」ではなかっただろうか。窓越しに道行く人と擬人化された木々(生命体)との目による触れ合い、木々はその不思議な姿で人を呼び、人は誘われるようにして、彼らの世界を訪問し、あたかも森の中を「これは何だろう」と色と形を愛でながら、開放的に遊ぶわけだ。窓からの光は人の心をおおらかにさせることを期待していただろう。
 今までの「森シリーズ」の会場は狭く窓も無く、人工光で光と闇で「森」の内部の触れ合いに重心があった。勢い、それを見る者は「瞑想」的体験とか、「ミクロコスモス」との触れ合い、「うごめく生命」との感応などの非日常の精神的アプローチであった。その反対を試みようとしたと思う。

 一方で期待以上の効果がもたらされた。インスタレーションとは場との関係で生き物のように変化する。西日だ。澁谷氏は美術ブログで西日と作品の関係を語られている。僕はテンポラリーである種の作品が西日に異様な輝きをするのを知っている。それは限られた条件、限られた時間という制約があるからなかなか一般鑑賞者には頻繁には体験しがたい。
 エッセは広い空間だ。西日を超えて赤く燃える夕日に作品が当たったらどんな感じだろう。見る人も赤く染まる。澁谷氏は作品と人との語らいを求めての展示であった。やはり最後は自分の分身のような木々達が自然の力で屹立する姿を見て、澁谷氏自身が震えたことだろう。


 雫ーお椀のような支持体に澁谷風・着色。お碗は水溜りでもあろう。木と水、青と緑の森の精、空気と光と人の目に触れる旅はまだまだ続くだろう。


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by sakaidoori | 2008-03-17 16:07 | エッセ


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