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栄通記

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2008年 03月 17日

560)時計台「北海道教育大学芸術過程美術コース教員・展」 終了・3月3日(月)~3月8日(土)

○ 2007年度 北海道教育大学芸術過程美術コース教員・展

 会場:時計台ギャラリー 2階全室
    北1西3 札幌時計台文化会館・中通り南向き
    電話(011)241-1831
 会期:2008年3月3日(月)~3月8日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00迄)

 【出品教員】
 青木空豁(英昭) 新井義史 伊藤隆介 梅津薫 小北公英(麻記子) 坂巻正美 佐々木けいし 須田廉亭(義樹) 辻井京雲(義昭) 寺井暢彦 中村和雄 羽子田龍也 二上正司 前田英伸 三浦啓子 山本勇一・・・以上、16名。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・7)

 「美術系スタッフの総力を挙げての展覧会」、と言い切るには少し無理があるようです。その点は残念ですが、教育大学にはどんな方が居られるのだろうということを知るには良い機会でした。
 評価に関しては、美術関係者、所属の学生の声を聞くことができるでしょう。何をさておいて教員自身がいろいろ思うところが生まれてくるでしょう。できれば継続的に開催されて、全体構成の質の向上に努めていただきたい。テーマを決めた会場作りなり、このグループだからできることに主眼をおいた企画というのも考えられると思います。それが学生の良い見本にもなるのではないでしょうか。
 個々の発表もさることながら、「教育大学の姿勢」を見たいものです。ジャンルの総花性という難しさを特徴にして、実験的展覧会もあっても良いのではないでしょうか。「北海道の芸術の知性としての新生教育大」、勝手にあだ名を付けたい気持ちです。

 ピンポイントの作品の紹介はできないので、会場風景を載せます。

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 会場は2階3室を使った展示。それぞれの作家が普段の作品を持ち寄ってきて、展示したという感じ。ここでは教育大学の卒展もしているが、似たような展示風景。そこに書が入って、レベルが高くなったと言えば良いのだろう。学生よりレベルが高いのはあたりまえです。

 個人的な関心をメモしておきます。

○ 羽子田龍也、日本画研究室、講師。
 1970年に東京に生まれる。院展を中心に発表活動(春の三越展では見れるかもしれない)。主に風景画がモチーフ。
 日本画の教員が気になっていた。
 確かに風景画を出品していた。静謐で、心象と言うのかイメージを取り込んだ作品。丁寧で綺麗。日本画家の少ない北海道だ。何かにつけ注目されるだろう。

○ 小北公英(麻記子)、デザイン研究室、講師。
 会場には作家(教員)のプロフィールがあります。年齢を書いていないのですが若い方です。「視覚芸術が環境に及ぼす作用、コミュニケーションとメディアの関係性を研究・・・。」とあります。
 小品ですが壁面作品を何点か出品。ミクスト・メディア、「モデラート・カンタービレ」「異邦人」。ぼやけ気味の女性(子供)の手の写真を中心にしてイメージを喚起する作品。しなやかな都会的感性、まとまった作品群を見たい人。

○ 梅津薫、油彩。普通の作品になっていて、優しさが感じられるのだがどうしたのだろうと思った。

○ 坂巻正美。
 以前、音威子府で古い家屋を利用したインスタレーションを制作したが、その折の記録ビデオを流していた。作品に関するチラシも用意していて、この作品に寄せる強い思いは分かるのだが、ビデオを見ても仕方が無いなという感じ。以前に芸森で見ていたからそう思ったのかもしれない。彼のような人がビシッと作品を発表すると締まるのだが・・・。期待過多か。

○ 伊藤隆介、映像。
 いつものパターン。映像と映像の仕掛けを鑑賞者に見せるもの。手作りの舞台はおもちゃのような感じだが、伊藤マジックというのか装置を身にまとうと、不思議なリアリティーがある。未来永劫まで繰り返される誰もいない遊園地になってしまう。この仕掛けは好きだから何度見ても飽きないが、彼に多大な期待を寄せるファンにとっては、いつも同じ物ばかりの小出しのスタイルに不満がたかまっているかもしれない。
 僕はCAIでウルトラマン作品を見たことがある。安直、シンプルな仕掛けとほとんど無意味な繰り返し、語れば涙が出そうです。非常にオタク的でいつまでもいつまでも飛んでいるウルトラマン、伊藤隆介代表作品の一つと勝手に思っているので、なかなかあれ以上の作品は作れないでしょう。

○ 山本勇一の油彩もお気に入り。

by sakaidoori | 2008-03-17 11:59 | 時計台


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