栄通記

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2008年 03月 02日

546) 大通美術館 「タニグチ ススム展」・磁器 2月26日(火)~3月2日(日)

○ タニグチ ススム展
    ーPorcelainの誘惑ー

 会場:大通美術館  
    大通西5丁目11 大五ビル(東向き)
    電話(011)231-1071
 会期:2008年2月26日(火)~3月2日(日)
 時間:10:00~19:00 
ーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・1)

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 「数十年前の焼〆の世界から一転し、陶石の世界も覗いてみたくなりました。新たな期待を持ちながら、模索したいと思っています」(上の写真のDMより)

 
 「Porcelain」とは調べてみると「磁器」という意味です。なのに「陶石」という言葉があります。「陶石」って陶器に関係している言葉では?それに、DMの写真が僕の思っているタニグチさんの作風イメージと違っていてとまどっていたのです。単純に言ってしまえば陶器製作者ということです。それで、「栄通記の案内板」にも戸惑いがあって書かなかったわけです。分からないことは、展示会場に行って、確認するのが一番です。

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 (色が少しピンクがかっていますが、全て白です。磁器特有のツヤのある白ではなく、触感性のある白、照明の関係で乳白色といった感じです。)

 作品の白、照明による淡い影の黒、置物台の水色だけだ。一見儀式風だが、作品そのものは真剣味を避けるような造形だ。「美」の割には技術そのものの見せ場からは遠く、形には可笑しさがある。磁器なのだが、ざらつき感を残している。
 
 「美の追求」には違いないが、陶芸家のイメージの表出展だ。
 陶芸にはいろいろな約束事がある。最大の約束は、伝統性と使用としての利便性だ。陶芸家はそのことに安心と喜びを持っているはずだ。だが、そういうことは日常性になり、良い意味でも悪い意味でも懲りとなって作家の「巧みの世界」に沈殿・堆積していく。
 タニグチさんはそういうことから距離を置いて、自分にとっての造形を楽しんでいるようだ。イメージの確認をしているようだ。「陶石」とは磁器の素材であり他と混ぜ合わせて焼成し磁器となる。ガラス質だ。陶器の素材は「粘土」だ。土だ。作品に砂のように固まっているのは、その陶石そのものを焼いた痕跡だ。立体部分は焼き加減の調整によるものだろう、素焼きの味わいを残すようにざらついている。目に優しい。タニグチ風「磁器」だ。

 作品には2系統ある。
 一つは曲線を主体にした何かのイメージ物。見る人と手にとって語り合えるのを待っているようだ。
 一つは建築模型、あるいは古代都市遺跡が土の中から蘇ったような物だ。先日、近美で「建築展」と「エジプト展」を見たばかりだから、その近親性が直ぐに浮かんだ。タニグチさんの持っている土への愛着、悠久の歴史への思い、大地が建築物へと創世されることへの憧れなどがここにはあるのだろう。
 隠すように、縄文土器の破片のような作品が床に置かれていた。

 ほのかな笑いに包まれたタニグチさんのイメージの世界、普段見れない世界を垣間見て、いろんな気付きがあった。
 青いアクリル板のエピソードなども伺った。白い世界に華を添えていた。ここにも作家の物語があるが、それは会話での楽しみとしておこう。

 タニグチさんは冬の雪祭り造形展にも参加しているとのこと。寒い中、限られた時間で仲間と一緒になり造形作品を仕上げていく。焼き物はどうしても小さい。等身大以上のチャレンジとして関わっているのだろう。夢多き人だ。

by sakaidoori | 2008-03-02 11:49 | 大通美術館


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