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栄通記

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2008年 03月 01日

545)さいとう 「額田春加・個展」 2月26日(火)~3月2日(日)

○ 額田春加・個展
   「PURPLE ZONE」

 会場:さいとうギャラリー
     南1西3 ラ・ガレリア5階B室
     電話(011)222-3698
 会期:2008年2月26日(火)~3月2日(日)
 時間:10:30~18:30(最終日は17:00迄)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(3・1)

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 面白い個展だった。
 何を描いているのだろう?図と地が一体となっていた。もっこりと絵の具は膨らんで、太くあつかましい線となってあちこちにうねり、キャンバスを棲家にしていた。粘着質な絵だ。

 救われるのは一つ一つにタイトルが付いていることだ。「無題」ではたまらない。だが、タイトルは親近感にはなっても方便のようなものだ。おそらく、画家の優しさがタイトルをつけているのだろう。ユーモアに溢れているが、大蛇が傍若無人に体を這い回るような強情さがある。その強情さをタイトルで隠す感じだ。

 3年半ぶりの3度目の個展だと思う。
 以前は青や緑が下から揺れるように立ち上がっていたと記憶している。やはり抽象画であった。始めの個展は表面をぎらつかせ、二度目は発色を落して何らかのムードを表現していた。けっして薄塗りではないが、そういう方向を感じさせた。
 3度目の今回、何という変貌、何という自由さ。強情なユーモア画だ。色と色が下手なダンス・ダンスとステップを踏んでいるようだ。

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 ↑:大作、「化身」。
 額田版「叫び」だ。唯一分かり易い作品。人の顔がストレートに抽象化されている。顔が口が目がよがんでいる。何かを叫んでいる。パープル・ゾーンでの土臭い作品だ。

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 ↑:超大作、「PURPLE ZONE」。
 図の部分で明瞭に人がうごめいている。人の形を借りて、画題を探っているみたいだ。背景が紫だが、背景自体が図になりかけている。表裏一体の怪しげさを絵の具自体の物質感で表現したいのだろうか。
 紫の海で彷徨している若き画家を見る思いだ。
 3月2日まで。


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 ↑:左から、「具現化 №3」、「公園 №3」。
 この勇気あるごちゃごちゃ世界。
 おそらく画家は「良し」と思って出品したはずだ。改めて、公衆の面前で自分の作品を見た時にはどんな思いだろう。こういう絵を僕等が見て、「ここが良い、ここが悪い」なんてチットモわからない。画家のみぞ知る世界、その答えは次回の発表作品だろう。


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 ↑:左から、「平山ビルから見た風景 №1」、「公園 №1」
 渋い絵だ。


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 ※2003年度・教育大学札幌校油彩研究室卒業

by sakaidoori | 2008-03-01 22:19 | さいとう


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