2008年 02月 28日
○ 「妖怪展」 会場:札幌市資料館2Fミニギャラリー5・6室 中央区大通西13丁目 (旧札幌控訴院) 電話(011)251-0731 会期:2008年2月26日(火)~3月2日(日) 時間:9:00~19:00(最終日は18:00迄) 【出品作家】 斉藤枝里 丁稚 伊藤都 タラ 石井誠 鶴田亀吉 Hangedman 山谷美由紀 中村香苗 橋本真理栄 麻野史枝 湯浅祐介 阿部拡 森居梓・・・以上、14名。 ---------------------(2・27) (②はこの記事の下に続けてあります) 若い人達が「妖怪」というテーマでいろんなことをしています。とはいっても以外にオーソドックスで、怖いというよりも楽しんでいるユーモア展といった感じです。 妖怪、それは現代人には飼いならされて、「わー怖い、楽しい、かわいい」と女の子の黄色い声が聞こえてきそうです。中年オジサンにとっては薀蓄(うんちく)の披露するところと気合が入るかもしれません。 ですが妖怪というのは一筋縄ではいきません。人の心には名伏しがたい物が棲んでいるものです。社会も十人十色で構成されている以上、全体の合意では収まりきれない何かが居場所を求めてさ迷っているでしょう。自然を昼も夜も明るく人工的に「見える」世界ににしたもの、なかなか全部は光に晒すことは出来なくて、光と光の隙間の不明という部分を残しているでしょう。カメレオンのように普段は何食わぬ顔でそこにいて、満月の夜ではないですが、ある時何かに反応していっせいに妖しげな姿を曝け出す・・・ 妖怪とは人の心が作った幻影でしょう。ですが、かなりの人が大枠でそれを信じているのならば、それは実在するのです。普段は目に見えない何かとして。画家や視覚芸術に携わる人は名々の感受能力で僕達の前にそれらの目に見えない物(妖怪)を視覚化しようとします。 僕は見えないものを見る能力は落ちると自覚しています。その代わりに見える物は見たい、その全てを見て人生を駆け抜けたらと思っている。平家物語で平家の武士が「見るものは全て見た。今はこれまで」と言って壇ノ浦で入水してこの世を終えた。彼は当時の永劫栄華を極めた人間が全てを見れたという誇りと喜びとして、平家は敗れても悔いは無いという壮絶な自覚の上で、時世の言葉を残してこの世を去った。かくありたいものです。 たわごとを長々と書いてしまいました。「妖怪」を考えること、これもこの展示会の主旨でしょう。まんまとはまったという事でお許しを。 以下、写真を載せながらの感想記です。3月2日まで、他にも資料館の展示会は面白いと思いました。 ![]() ![]() 左の茶色い紙に書かれた絵、会場に上の句と下の句のクジがあって、それを引いてお題を関係者が絵にするのです。僕が選んだのは「毛糸」と「袋」です。右側の作品がそれです。何だか「たまねぎお化け」みたいです。 ![]() ![]() タイトルが凝っている。食べるということで妖怪を考えているようです。 ![]() 一番左の作品はタラ、「渇き」・シルクスクりーン。 酒呑童子です。彼は渇いているのです。飢えているのです。それは作家・タラ君の思いでもあるのでしょう。なかなかの迫力です。版画の濃淡の質感に苦労の跡を滲ませています。 ですが、まだ渇きを表現しているとは思えない。ただ一杯の酒の為に、万人を殺してでもありつきたい、というには少し綺麗に収まっているようだ。おそらくタラ君の心の中に絵画は綺麗でありたいという思いが強いのだろう。 黄金分割など構成美を追求してエネルギーを表現するのか、敢えて約束事を壊して破調の中に溢れる思いを表現するのか、タラ君の「渇き」は始まったばかりです。別室のムカデのテキスタイルといい、細かな丹念な仕事をする人だ。 本名は書かないが、道都大学の中島展では見てあげて下さい。 (②に続く。②はこの下に続けて書きます。)
by sakaidoori
| 2008-02-28 17:59
| 資料館
|
アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||