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栄通記

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2008年 02月 03日

512) モエレ沼公園 ③「スノースケープモエレⅢ」 終了・1月30日(水)~2月3日(日)

○ スノースケープモエレⅢ
   「ホワイト リンケイジ(White Linkage)」
     つながる冬。つくりだす冬。

 会場:モエレ沼公園ガラスのピラミッドと、その周辺
    札幌市東区モエレ沼公園1-1
    電話(011)790-1231
 期間:2008年1月30日(水)~2月3日(日)
 時間:11:00~19:00(30日は17:00迄、2日は21:00迄)
 料金:無料。(一部、基調講演とダンス・パフォーマンスは有料。)
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 この日は冬晴れだった。(2・2)
 ガラスの館を出た辺りにかまくら・アートがあるのだが、そちらの紹介は後回しにして、モエレ山へ。

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 標高62m。たったの62mなのにこの景色。豊平川河口の低湿地帯ということで、遮るものは何もない。イサム・ノグチという男は、ここにこの位の丘を造れば、こんなふうに見えるということが体質的に分かる男なのだ。大型トレーラーの運転手が車の四隅が自分の体の一部のようにして操作できる。同様に、ノグチは自分の目を蟻の位置にも、数十mの高さにも自在に運べるのだ。そして、その目は見る為だけにあるのではない。見た世界を自分の創造物に置き換えるのだ。

 札幌とノグチの出会い。それは時代の生んだ偶然だった。
 ゴミ処理場跡地の再利用はとんでもないノグチ・ワールドとして結実した。
 アメリカでは彼の才能を認めても、彼の破天荒の構想に耳を貸そうとはしなかった。アーティストとしては認めても、その空間作品の必要性は認めなかったのだ。
 札幌と彼との出会いは、日本全体が経済の右肩上がりの絶頂へと進む時代だった。札幌は冬季オリンピック以来、近代的インフラ整備時代に突入し、文化の一大シンボルとしてノグチに白羽の矢を当てた。彼の構想の雄大さに北都・札幌の未来を重ね合わせた。文化の何たるかは問うところでは無い。リサイクルと芸術の一致。金が自由に使える時代ならば文句をいう人はいない。本当に金があったかどうかは、不問なのだ。見識豊かな関係者の文化への「夢」、近代化への礼賛がノグチのアメリカ的発想に夢の実現を見たのだ。幸いにも経済の肥大化がそれを可能にした。

 札幌市はこの施設をもてあまし気味だ。維持するだけでも金がかかる。そして金が無いと言っている。それでも維持していかなければならない。
 イサム・ノグチの世界の前でハムレットのような悩みが亡霊のように漂っている。

 スノー・スケープ・モエレ、この雄大な公園の中での何と日本人らしいこじんまりさであろうか。このギャップは滑稽なまでに面白い。それも、ノグチの世界があるから、我々は己の卑小さに気づかされるのだ。気づくことは良いことだ。気づかせるイベントはそれだけで意義があるというものだ。だから、個人ではできない自治体を巻き込んだイベントが必要なのだ。ネックは金だ。関係者の皆さん、その知恵と行動力で金を産んでください。


 ⑥モエレ沼公園ひとりじめプロジェクト「モエレ山荘」・札幌市立大学空間デザインコース 山田良ゼミ

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 山頂に立つモエレ山荘。下からでも、そこに何かがあるのが見て取れる。
 入り口は微妙な隙間だ。横向きで中に入ることができる。建物はガッチャイが、中に入るという行動の仕方・感触が気にいった。

by sakaidoori | 2008-02-03 23:53 | ☆モエレ沼公園


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