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栄通記

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2008年 01月 24日

490) 時計台②「教育大学札幌校美術家3年・10人の作品展ー川村真理子の場合」 1月21日(月)~26日(土)

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 ↑:川村真理子、「みんないってしまう」・インスタレーション・ミクストメディア。


 いろんな顔を持つ川村さんだ。作品は見ても分かるように、茫洋としていて写真の連作による心象風景に通じるところがある。ところが、「油展」(下に掲載。)では同じく青の世界なのだが、色も濃く粘着的に青年心理を表現していた。

 実は僕は以前に彼女の作品をしっかり見ていたのだ。一昨年、アートスペース201での「教育大学・写真部展」だ。(その時、解像度の低い携帯で撮った写真があったので下に掲載。)百枚単位の連続写真の展示。映像的写真発表で、被写体は女の子が大好きなケーキを丸ごと食べ尽くす、というものであった。クリスマス、ビデオを目の前にしてワインを飲みながら優雅に食べていく。当然苦しくなって、トイレタイムを入れながら、もくもくと食べていく姿をスナップ写真で連続的に見るのだ。自虐的な過剰行為。映像は時間を強いられるが、写真は一瞬で全容が分かる。気に入らなければ無視されるが、逆の場合は映像以上に一齣一齣を見入るのだ。確かに古典的手法ではあるが、「食べる」ということで「吐き出す」と言うことを明確に表現していた。

 何とうれしいことか、その制作学生に会えたのだ。
 川島さんは生理的に濃密になるタイプだと思う。だが、何と今作品のあっさりしていることか。本人が思わず漏らしていたが、「願望」の投影かもしれない。だが、発表様式にそれほどの違いがないのが面白い。時間を伴う映像性を、写真や絵画などの視覚による一瞬性に置き換えて、心理描写というのか心象世界を表現しようとしている。
 油展の作品やケーキ食べ写真は構成・演技・演出という虚構性があった。特に写真作品は虚実を激しく訴えるパワーがあった。
 今展、インスタレーションによる展示だが、彼女を少しは知る人間には平板過ぎる感がある。だが、静と動を繰り返すことによって自分の表現したいことを見つけていくのだろう。僕は彼女のパワーに期待している。


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 ←:「油展」での作品。「腫れてゆく輪郭」、1410×2100・油彩。










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 ←:大学1年次の「教育大学・写真部展」時の作品。
 連続スナップ写真。250枚位あったかな~?

by sakaidoori | 2008-01-24 15:26 | 時計台


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