栄通記

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2008年 01月 10日

466) ③市民ギャラリー 「第38回 北海道教職員美術展」・総合展 1月5日(土)~1月9日(水)

(464)①、(465)②の続き。

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 ↑:特選・細川亜矢子(平岸高台小学校)、「風景~まち~」。
 中央下部に強い焦点のある遠近画法が古風なのですが、変に印象的です。焦点から輝が迫ってきて、宗教画的な趣があります。普段の市井の街角と言うよりも、高揚した演劇空間を思った。

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 ↑:左側、奨励賞・佐藤宏茂(室蘭市立蘭東中学校)、「本輪西駅の冬」。
 右側、入選・南富幸(釧路工業高校)、「橋のある風景」。
 風景画が好きなので掲載します。
 「本輪西駅の冬」、画中に『もとわにし』の部分だけ明瞭に平仮名で描かれています。駅構内から見えるアンテナの立った山並を、地元の人達は空気のような存在として眺めているのでしょう。


 絵画部門の招待作家は道内有名公募展の会員もいて、見慣れているし見応えもあると思う。最新作・初出品かどうかは別としても、意気込みも感じます。ただ、数年しか見ていないので断定的に書くと責められそうですが、全体は先細りの感がします。
 この展覧会の場合は広範囲な職域公募展ということが議論されるテーマかもしれません。ですが、最終的なテーマは「現在において、個々の作家が満足するグループ展とは何か?」という問題意識を僕は考えてしまいました。この場合の作家とは、狭義の絵画作家と、その枠では収まりきれない作家達という意味です。

 一方、写真はもっと盛況になりそうです。確かに市民受けする写真が多い。ですが、変てこりんな一人の撮影者によって、いろんな方向に拡がるかもしれない。もっとも、教員という建前の強い職業人ですから、こういう場所に出品する表現に限界があるのは仕方が無いことです。僕はその限界の広がりを長い時間をかけてでも確認したい。変な写真が出てきた時、「あっ、教員も変わった人がいるんだな、社会も変わったんだな」と、思うかもしれない。

 書は盛況です。盛況ですが、あまり見る楽しみはない。沢山の作品が隙間無く陳列されて、書を見せるというよりも、仲間意識の確認という感じに見えてしまった。

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 ↑:招待・傳法喜代志(東野幌小学校)、「ShowWindow」。
 何とも不思議な写真だ。
 異国情緒をともないセピア色が何処の風景かと思案をめぐらせる。スタジオでの創作構成写真とも見える。タイトルが「ショー・ウインドウ」となっている。
 おそらく、ショー・ウインドウのガラスに横文字が書かれていて、ガラスの向こう側に店員がマネキンに服を着せていて、その後ろに人目を引く大きなポスターが貼ってあるのだろう。シャッター・チャンスの時に通行人の女性がぼけて写ったのだろう。
 だが、今の表現はこの写真の写りの説明だ。撮影者の目は現実の世界に別世界を切り取っているのだ。女と外人という明確な主張の被写体を利用して、トリッキーな知的世界を現している。
 人間心理や社会の淵の表現というリアルな写真ではない。構成的接近、構成美による観念の世界だ。

by sakaidoori | 2008-01-10 11:40 | 市民ギャラリー | Trackback | Comments(0)
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