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栄通記

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2008年 01月 05日

458)①CAI「絵画の場合ー渋谷俊彦展」・インスタレーション 終了・2006年9月23日~10月7日(土) 

○ 渋谷俊彦展
     -瞑想の森ー

 会場:CAI現代研究所
     北1西28
     電話(011)643-2404
 会期:2006年9月23日~10月7日(土)
 休み:会期中無休
 時間:13:00~19:00 


 (以下、渋谷展以前の話を中心にして。)

 「絵画の場合・展」(2007・10・18~11・18)は『絵画とは何か?』を個々の作品、個々の作家を通じて具体的に考える展覧会だ。解を求めるというよりも、何であるかを考え、その考えを公開し、個々の関係をより広い関係で検証し確認しようとするものだと思う。参加作家にとっては始めから作家同士、発表の場、鑑賞者などとの関係性、社会性を意識し、そのことが自己の作品化にどういうことになるかを確認する場でもあろう。

 議論はどこから始まっても可能である。
 この展覧会を成り立たせている札幌という風土から、2007年10月という有機質な時間から、訪れる鑑賞者の風情から、などなど。その全体性は美術から発信された社会的メッセージに及ぶものである。
 もちろん、社会に響くだけの力があったかどうかは不明である。微弱と言った方が正しいかもしれない。10年後には単なる展覧会だったと言われるかもしれない。それは他の個展や企画展とて同じ運命だろう。それ以上に「問われるだけの展覧会にはなっていない」という無視に等しい返事が返ってくるかもしれない。それは現在においては仕方の無いことでもあろう。逆に、皆が面白いと言われる現象(展覧会)には斜に構えて時間の経過を待ったほうがいいかもしれない。
 他者の反応は大事だが、他者の反応を無視する態度も大事かもしれない。最大公約数を求めれば自我の叫びという現代病がのた打ち回る。最小公倍数を求めれば、他者との関係性が危うくなる。作品と言う「自己発表」は研ぎ澄ませば澄ますほど、出来映えという結果以上の危うさが返ってくる。

 「絵画の場合」と言う言葉に触発されて、取り留めの無いお喋りをしてしまった。
 昨秋に終わった企画展覧会だ。だいぶ書き残した。中途半端な記事もあり、申し訳ない気分だ。それはそれで仕方が無い。次回の作品に出会った時に吐き出すだろう。期間中にある程度は書いたので、関係者の方も許してくれるだろう。
 以下、何回か記録や確認という思いを込めて記しておきます。


 何はさておいて、渋谷俊彦の作品。
 氏は一昨年の秋にCAIでインスタレーションを発表した。今展はその時の作品群が場を変えたらどう響くかを作家自身が確認したいという気持ちが強かったと思う。その為にもその時の展覧会をここで紹介するのは意義があると思う。既に他のブログでも写真紹介されているので、新鮮味には欠けるが、間歇的に何度見ても刺激に満ちている。(2006・9・25)

②に続く

by sakaidoori | 2008-01-05 11:56 | CAI(円山)


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