栄通記

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2008年 01月 03日

455)②テンポラリー 「木村環×藤谷康晴 ・乱」 終了・2007年12月30日(日)

○ 木村環×藤谷康晴 「乱」

 会場:テンポラリー スペース
     北16西5 北大斜め通り・西向き 隣はテーラー岩澤
     電話(011)737-5503
 会期:2007年12月25日(火)~12月30日(日)
 時間:11:00~19:00

 ①木村環:作品展+公開制作(12・25~12・29)
 開催期間中、会場内にて公開制作します。(在廊時間等はお問合せ下さい。)

 ②藤谷康晴:ライブドローイング(12月30日・日曜日)・17:00スタート
 完成した木村作品に、藤谷康晴が直接ドローイングするライブです。


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 鉛筆画の木村作品に藤谷君が描きすすんでいくライブ・イベント。

 年末も押し迫った30日の夕方からそれは始まった。沢山の人が来た。写真撮影は自由なのだが、鑑賞者にジックリ見てもらおうという配慮で、撮影者は2階での鑑賞である。鑑賞の上では不自由な面もあったが、意外な気付きもあって面白かった。7時までの2時間、殆ど寝っころがって見ていた。

 このライブ・イベント、何と言っても質の高い木村鉛筆画に他者が描き込むということに大いなる拍手を贈りたい。イベントとしてはそれだけで賞賛に値すると思う。当然、次なるお目当ては藤谷君がどういうドローイングをするかということだ。その関心の高さが多くの鑑賞者を呼んだ。幸い殆どの階下の様子を眺めることが出来た。最大で階下で25人ほど、二階で7名である。

 ドローイングは木村作品の一点一点を塗り絵のようにしてなぞる、それに終始した。正面の壁一杯に張られた10枚の作品。その一枚一枚に丁寧に描き足していく。相手(木村絵画)の皮膚感覚を確認しながら優しく黒線を引いていく。円やかな女体に相手が痛がらないように刺青を入れるようだった。
 確かに最終絵画は原型の美を止めないものになってはいる。だがそこに藤谷君の付加された、語るに値するものが在っただろうか?あまりに木村作品と画家・木村の精神の上をなぞり、踊らされた感がある。
 10枚の作品を一枚のキャンバスと見立てて、その広い空間にあれやこれやと立ち向かえなかったものだろうか?ある場所には怒りのあまり原型をとどめなく塗りつぶす、下絵を無視して描き進む、あえて何も手を施さなくて無視された下絵もある。ゆったりした線、激しい線。距離を置いた線、近すぎた線。感情線、無機質線。・・・あまりに木村絵画の掌に終始したライブだった。

 踊らされたライブと言えば、ニュー・スターの時のことを思い出す。狭いギャラリーでの最終展示作品は確かに見ごたえがあった。だが、ライブとしては場の強い性格に翻弄されていた。場、それは単に展示空間が狭いと言うことを意味しない。歴史性を踏まえての強靭な磁場といったほうがいい。その磁場を藤谷君はあまりに真っ正直に受け止め、ライブ進行は見るものを散漫な方向に持って行った。
 今展はライブ自体は素晴らしいとしか言いようが無い。しかし、作品は場の全てである木村パワーに捉われすぎていた。「乱」ではなく「溶」であった。
 磁場を無視する力・・・僕が今後に期待する一点である。


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↑:最終作品。


 ところで、僕は写真を撮る為に2階に居たわけだ。
 見えにくいということが幸いして、鑑賞者が不思議な一体感に包まれた。というのは、普通に座っていては見えないので、各自が非常に不自然な姿勢で見ることになったからだ。極め付きは藤谷君の描く位置によっては2階の鑑賞者が期せずして、摩訶不思議な姿勢になったことだ。

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 階下のテープで隔てられて無言の緊張した雰囲気。2階は会話は飛ばないが、時折互いの目配せで笑顔を湛える。隣の気配に人間臭さを感じる。何ともライブらしい醍醐味を味わうことが出来た。

by sakaidoori | 2008-01-03 23:49 | テンポラリー


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