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栄通記

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2008年 01月 02日

454)ATTIC 「佐々木秀明・個展」 終了・12月24日(月)~12月30日(日)

○ 佐々木秀明・個展
    「雫を聞く2007」 
    
 会場:ATTIC
    南3西6 長栄ビル4F・南3条通り北側
    電話(011)676-6886
 会期:2007年12月24日(月)~12月30日(日)
 時間:13:00~21:00 (最終日、特に断りは無し)


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 エレベーターも無い古ぼけた建物を4階まで階段を昇っていく。踊り場や各階の廊下にはあれやこれやのDMやフライヤーが目を惹き、会場にはどんな作品があるのかと心地良い期待感が運ぶ足を早める。『こんな年末まで個展をするなんて、どんな人か見てみたいものだな』

 目的の4階、見知ったブロック壁の小室にクリオネのようなま~るい光の世界が迎えてくれる。足早に来て、少し呼吸を整えながら、一気に佐々木・ワールドに浸ることになる。
 それらは光の装置。なのに、まるで生き物のように揺らめきながら、見るものの心に迫ってくる。漏斗に角氷を2・3個入れ、溶けた雫が下の水の張った容器に「ポン」と小さい音を立てて落ちていく。水の入った容器は下から壁の方向に光が当たり、写真のような卵形の光の模様を壁に照らす。壁のブロック・ライン、デコボコ感が光と明確に呼応し、7・8個の光のサークルが妖しげに、幸せにしっかり其処にたむろしている。見入っていると、落ちた水滴が波紋を作り、まるで波風のように光の輪は揺れ心が躍る。ランダムに光の輪は揺れる。やや視線より高めに置かれたものもあり、少し見上げて見る姿勢が、何かを迎えるような明るい気持ちにしてくれる。
 (自室の広い会場がメインの設営と知りつつ、エピローグの小室で作家の心に呑まれてしまった。)

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 メイン会場。
 光と音の装置は小室と同じ。違いは、先ほどの部屋が光が可愛いくて、全身を包んでいる感じ。こちらはイスも用意されていて、光を見る人、見られる光との対話だ。隔てている薄暗がりが人間臭い空間に変わっていく。時間が闇で飛び交い、今と過去を緩やかに、時には激しく去来していく。等身大ほどの細い光の線が膨らみが悩ましい。やはり時折落ちる水滴の音と光の揺れは幻想と現実を思い出させる。眠りを誘いながら、眠らせない光と音と空間の装置。

 自分が居て、包み込む空間があり、光の幻影があり、その向こうには何も無いのに深い闇が拡がっている。

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 (写された壁面はすりガラスです。四枚縦長にやや斜めに立てかかられています。そのすりガラスの後ろに10センチほど離れて、樹脂でコーティングされた紙が立てかけられています。ガラスと隙間と紙の反映が光や光の当たらない部分に微妙な光と黒の深みを与えているのでしょう。シンプルな装置は全然いやみが無く、その演出に時の経過を忘れそうです。)


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by sakaidoori | 2008-01-02 22:40 | ATTIC


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