栄通記

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2007年 12月 24日

439)ユリイカ 「杉吉篤・個展」 終了・12月18日(火)~12月23日(日)

○ 杉吉篤・個展

 会場:ギャラリー ユリイカ
    南3西1和田ビル2F・北向き
 会期:2007年12月18日(火)~12月23日(日)
 時間:11:00~19:00 (最終日17:00)


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 大作が一点だけ並んでいる。上の作品、「仮面」である。

 杉吉・具象画は想像上の四足動物を横向きに大きく描くのが特徴的だ。異形ではあるがユーモアを伴い、観るものの想像をかき立ててくれる。
今作、少し変な感じである。構図そのものはいままでと同じなのだが、余りに具象的・人間的なので驚いた。しかも、格子状の模様を入れて、人間臭い絵に造形的追及を施している。この網目模様が作品の文学性に「絵」としての深みを与えている。

 作品は、こめかみが傷ついた顔、ぞんざいな線で格子状の網(スクリーン)をかぶせている胴体、四足はタイツで覆われた二人の女性の足、これだけだ。「仮面」-描かれた顔のことを意味しているのだろう。覆う網目を仮面と解釈してもいい。足だけで人は顔を想像したがるので暗喩的な足としての仮面ととらえてもいい。個別個別に仮面の意味をもたせ、「絵」全体を仮面と画家は言っているのだ。
 だが、仮面のはずの顔には生の傷がある。怒りマークとも見れるが正直な気分が伝わる。自画像として理解している。足、極度なセクシャル性は無いが、なんとも都会的な清々しさがある。そして網目・・・
 今作の注目はこの網目にあるのだろう。杉吉絵画は面と面の組み合わせ、そのリズム・ユーモアを楽しむところがある。今作も顔にその痕跡がある。だが、網目は網の線の幼稚さにユーモアを感じるが、ユーモアを置いてきぼりにして絵の世界を広げて行こうとしている。網目の一つ一つを四辺形の面としながら、向こうとこちらを優しく引き裂く皮膜のようにして存在している。見えないもうひとつの世界を優しく見えないようにして、やはり違う世界を確認しているようにみえる。そうか、杉吉氏は向こうの世界を見たいのかもしれない。優しい足だけを晒して見えないその姿の全貌を。見えない自分自身に怒りを覚え、「怒りマーク」をこめかみに浮き彫りにさせて。


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 ↑:左から、「馬門」、「迷える・・・」。
 今展のテーマは格子状、あるいは網目です。小品にはバリエーションを変えながら試行錯誤の姿が確認できます。小品としてりりしく飾られています。
 「迷える・・・」は引っかき傷だけで絵にしています。大作の網目も同じで、遊び心と解することもできますが、僕には杉吉氏が己の生理を直接、画布に杉吉流に残そうとしているように見えました。良い絵です。


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 ↑:左から、「晩秋」「古い建物」
 「古い建物」、これは教会です。画家自身が否定しようが、他の鑑賞家が否定しようが、絶対に教会です。存在感の強い教会です。良い絵です。


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 ↑:左から、「仮面・・・①」「仮面・・・②」

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by sakaidoori | 2007-12-24 20:05 |    (ユリイカ)


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