2007年 11月 29日
○ 2007 春陽会道作家展(絵画部) 会場:時計台ギャラリー 2階A・B・C室 北1西3 札幌時計台文化会館・中通り南向き 電話(011)241-1831 会期:2007年11月26日(月)~12月1日(土) 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで) 三岸好太郎でおなじみの、全国公募展・春陽会に参加されている道内作家展です。会員・6名、会友・14名、一般・7名の総勢27名です。 以前は年初めに開かれていましたが、昨年からこの時期になったようです。個人的にはおとそ気分の抜けきらない初春の方が好きなのですが、仕方がありません。いろいろと都合があるのでしょう。とても全作家を紹介できません。関心の趣くままに写真を載せていきましょう。(11・27) ![]() ![]() 僕はこの佐藤さんと、次に載せる新出さん、居島さんを勝手に『三羽カラス』と称しています。全く個人的な関心で、最初にこの展覧会を見た時に、深くあれやこれや考えたからです。そういう人がグループ展に一人でも居ると、頑張って見に行こうと気合が入ります。良いことだとは思うのですが、致命的な欠点があって、他の方の作品に力点が置けなくなるのです。他の作品の魅力を見落としがちになるのです。 それはともかくとして、佐藤愛子さん、期待に違わず魅力的な作品です。彼女の魅力は何と言っても、「ハチャメチャさ」です。それが勢いがちになったり、汚くなったりすることがあります。そんな少々の欠点は無視して見なければなりません。彼女に「上手になりましたね」とか、「自由な表現ですね」などと褒めても仕方がありません。「これで本当に満足していますか?まだまだ描き足らないのではないですか?」と、叱咤激励しましょう。是非、個展を観たいものです。 ![]() 新出さんはヒマワリと勢いを身上としています。最近は画質感にも目覚めて、著しく成長していす。単なる勢いだけでなく、パワーと深みが出てきたと思います。更に良いことは、身に付けた技術に安住することなく、前へ前へと進んでいく姿勢です。今回の作品を初めて見る人は、力で勝負しているだけに見えるかも知れません。僕は相当に我意を抑えた作品だと捕えています。二双一対の組み合わせで、装飾的華やかさを提示したのでしょう。最近、白黒を強調した作品が多いので、その反動かもしれません。元々華やかさには敏感な人ですから、楽しく描かれたのでしょう。画題はヒマワリの抽象化として見れますが、彼女にとってのヒマワリは方便です。ヒマワリに捉われないで、風景とも心象とも、自由な女心とも解釈したらいいと思います。発展途上の人です。 ![]() 渋い色合いです。あまり良い写真ではなくて、すいません。当方の拙さもありますが、なかなか彼女の魅力を再生するのは大変でしょう。淡い画質感と色合い、色の組み合わせを得意としています。 茶系を主体にした色合い、抜けるような色面構成と華やかな部分とのバランス。数年前はちょっとしたスランプではと勝手に憶測しています。居島さんの絵は心のドラマの絵画化では無く、描かれた絵からドラマが生まれるというものです。ドラマといっても説明的激情的なものではありません。描き上げることが大変でしょう。人にはわかりかねる成長、停滞の螺旋階段の繰り返しでしょう。その軌跡が絵に反映されるのでしょう。その辺を見るのが僕の楽しみです。 ![]() 一般ですが、直ぐに会友になるでしょう。 いかにも若い感性です。時代の流行にも合致しています。全国版の小林孝亘とも通低しています。小林は47歳ですが奥山さんはお幾つでしょう。この会派でも期待をされているのではないでしょうか。奥山哲三ー名前を覚えておかなければなりません。 ![]() 豊嶋さんは八木伸子さんの影響が強いと思うのですが、この絵は良い絵だと思います。どこが良いかというと、右側半分の白い壁です。左側の窓からの景色に呼応して、何にも描いていない壁が語っているのです。透けるような感じで向こうの世界が連想されるのです。二次平面として何ともいえない物語を醸し出しています。当然、水平ラインと垂直ラインが功を奏しているのでしょう。 これからの課題は八木絵画との関係でしょう。どれだけ女史の世界を相対化できるか、自分の世界を開花させるかでしょう。今作が機転になればと思います。 なぜだか、だらだらと書き進んでしまいました。あくまでも一愛好家の言葉ですから、真偽など無視して、「栄通はこんな感じで絵を見ているのか」と思って下さい。長くなったので一旦切ります。折り返し、何点か載せます。
by sakaidoori
| 2007-11-29 17:21
| 時計台
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![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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