2007年 11月 23日
○ 菅定(かん さだむ)・展 「部屋の中ー絵画ー」 会場:時計台ギャラリー 3階G室 北1西3 札幌時計台文化会館・中通り南向き 電話(011)241-1831 会期:2007年11月12日(月)~11月17日(土) 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで) DMに小さい文字で、彼の絵画観と今展の主旨を述べている。大事な情報である。その言葉から始めよう。 「絵画のフレームは異空間への窓と考えます。しかし、それが整然と並んでいるからといって、列車の車両や、カフェの中から窓の外を眺める様には為らないのです。それぞれのフレームにそれぞれの『視点』が存在します。今回は『多視点』を強く意識して展示したいと思います」 【プロフィール】 1970年 愛媛県生まれ 2005年より北見市在住 以下、DMには2005年以降に発表した個展・グループ展が記されている。 会場にはつい先日までカフェ・エスキスで展示していた100点の小品の中から、80点が規則正しく展示されている。これ等が普段着の絵画としたならば、その向かいに数点の大きい抽象絵画が晴着姿で並んでいる。 ![]() 最終日の遅くに訪問した。実直な作家は笑顔で迎えてくれた。一渡り鑑賞した後に作家に近づいた。彼はそれを待っていたかのように語りだした。しかも、笑顔は消え実に真剣な態度だ。たじろいでしまった。嬉しくはあるのだが、画家の真剣な言葉に対応できるほど、こちらには知識の上でも心構えにおいても準備が出来ていないのだ。 80点の小品を見ながら、「この作家は絵が好きなんだなー」とつくづく思った。画質感が良いとか、構図やインスピレーションに感じ入るという絵ではない。実にあっさりとしている。デッサンとしてではなく、最小限でも絵として、描き置いておきたいという作家の意思・意欲の現れだ。普通は一枚の完成された大作に思いをはせるのだが、大作に流れる作家の泡のような軌跡を我々は知ることがない。その泡のような一点一点を眺めながら、作家と言葉を交えた。 「身の回りにあるものを描きました。絵を描く原点のようなところに立ち返ってみました」 ・・・なるほど、なるほど。しかし鍋釜を描いているわけではない。彼にとっての身の回りとは、テーブルを見てもテーブルを網目越しに見たらどうなるのだろう?テーブルがテーブルでなくなる時とはどういう時だろう?絵はそういうことに力があるのか?あまり悩まないで絵にしておこう・・・。 難しい抽象志向とは別に、彼の絵の魅力はユーモアがにじみ出ることだ。逆に言えばユーモア無しの管定絵画の理論性はつまらないとも言える。今展は自然体の個展だから、その辺が素直にでていて良いと思った。 ・・・だらだらとここまで書いてしまった。北見からの訪問者と思えば、こちらとしては多くの言葉で迎えることしかできない。彼のことは又書く機会があるだろう。その時は「絵画のフレームは異空間への窓と考えます」、この言葉を中心にして書き進めよう。彼にとっての異空間とはどういう事象なのだろう?(11・17) ![]() ![]() ![]() ![]() ↑:左側、「テレピンとキャンバス」・油彩・22.7×15.8 右側、「キューブ」・油彩・116.7×91.0 ![]() ![]() ↑:左側、「石を視る」・油彩・91.0×72.7 右側、「無題」・油彩・91.0×72.7 ![]()
by sakaidoori
| 2007-11-23 13:16
| (時計台)
|
アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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