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栄通記

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2007年 11月 22日

408) 富士フォト・サロン 「ウリュウユウキ 写真展」 終了・11月16日(金)~11月21日(水)

○ ウリュウユウキ 写真展
    旅をするフィルム

 会場:富士フォトサロン札幌
    北3西3 札幌北三条ビル1階・北向き
    電話(011)241-7366
 会期:2007年11月16日(金)~11月21日(水)
 時間:10:00~18:30

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 ダーク・グレーの壁に新旧作品・87点の展示。モノトーンの写真に白の額装、何点かを一塊にして、流れるような配置。レイアウトの工夫も見事で、飽きることはない。これだけの作品数を一定の緊張感を維持しながら見せるということは大変なことだ。彼の充実感が伝わってきて、実に好ましい。

 1976年長野生まれ、ということは現在31歳。
会場には本人の「写真と旅」に対するメッセージが用意されている。とても大事な言葉ではあるが、極力無視して作品をかなり長い間眺めてきた。彼にとっての旅とは何か?僕にとっての旅とは何か?そもそも旅とは何か?そんなことに意識が集中した。僕には写真を言葉にするには難しい。なぜ写真を言葉にするのが難しいのだろ。

 「旅」・・・タビと聞いて現代人はどんなイメージが膨らむのだろう。心の旅、レジャー、物見遊山、逃避行、逢瀬、暇つぶし、明日への活力の為のリフレッシュ、日常からの離脱、思い出作り・・・。一人で旅する場合、恋人や不倫の人との二人連れ、気の会った連中とのグループ旅行。
語源的(中国人の考え)には、旗ざおの下に人々が連なって進む様とのこと。旗ざおはその氏族を束ねる精神的な象徴で、霊的な集団行為を意味しているようだ。商売としての隊商、はためく軍旗を先頭に厳かにすすむ旅団、山や川の神に供え物をささげに行く祭りとしての移動、これ等は全て旅であった。

 集団性と神性から切り離され、個人の問題としてウリュウ君の「旅」を目にしている。
 彼の旅は過去的だ。過去に住んだ場所に行き自己確認のようにして写真を撮る。
 旅で出会った風景の写真を撮る。やや曇天風で、ビシッとくっきり撮っていると思う。ぼかしを強くしたり過度な露光もなく、行き過ぎた心象性を表現してはいない。写生と心象の緊張感。
 日々の暮らしの中での写真。電線や建物の内部風景。これらは絵画的造形を楽しんでいるようだ。線や面の織り成す様に自分の心象風景を重ね合わせようとしているみたいだ。「旅をするフォルム」だ。

 過去的ロマンを秘めながらウリュウ君は旅を撮り続ける。現場主義としての写真は記録と過去性を宿命的に帯びている。その宿命を「旅」として自己の作品の総合タイトルにするのは、写真という行為を全面的に受け入れているのだろう。「今見ている」という現在と写真の過去との反復がウリュウ君の明日への旅になるのだろう。(11・17)

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 ↑:会場の外、屋外の路上から撮った写真。ここは屋外とドア一つ隔てて直結しているのですが、外からは中が見えないように工夫されています。唯一覗ける狭い空間に全作品の映像を一齣を長くしてノンストップで流しているのです。呼び込み用であるのですが、グリコのおまけでもあり、内と外で二度楽しめるわけです。なかなかの展示工夫です。

by sakaidoori | 2007-11-22 13:46 | 写真)富士フォト・サロン


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