2007年 11月 18日
○ 木村環・鉛筆画展 「愛の挨拶」 会場:ATTIC 南3西6 長栄ビル4F・南3条通り北側 電話(011)676-6886 会期:2007年11月10日(土)~11月18日(日) 時間:11:00~20:00 (最終日18:00) ○ 藤谷康晴ライブドローイング⇒終了 ー無言の警告ー 会場:ATTIC(木村環展と同じ) 電話(011)676-6886 会期:2007年11月10日(土) 時間:15:00~19:00 ![]() ![]() ブロック塀に囲まれた一坪の空間、狭い。檻のような部屋だ。体をあまり移動せずにくるくる回りながらの鑑賞、12点の作品が焦点に集中するように心地良く迫ってくる。絵の大きさは1.8mの鑑賞距離を意識してのものだ。4点が瞬時に目に入る。 ふくよかで優しい絵が多い。部屋全体がイコンで、マリアさんか菩薩さんのような笑顔だ。総合タイトルは、「愛の挨拶」。表情、体のうねり、人の絡まり・・・人と人との関係がこういうものであったら、本当に素晴らしいと思う。せめては挨拶だけでも愛らしく振舞いたいものだ。木村絵画の魅力は精神的な愛を謳いながら、一方で毒気というのか人の心に突き刺す面に出会うことだ。笑顔が心で、もしそれが善なるものの象徴・コスモスとしたら、頭が善悪を抱え込んだ混沌の世界の入り口のだ。頭から寄生物がはみ出した作品が多い。それが時には「ゲゲゲの鬼太郎」であったりする。今展ではそんな生き物は登場の余地が無いようだ。だが、頭から生まれるもっとも怪しげな存在=髪は大事な要素として絵画で遊んでいる。 髪型、女性の化粧の真髄といってもいい。髪形無しでは女性の顔が浮かばない。特に長き髪がほどけて遊んでいる様は、本人らしさに関係なく自由でもあり、おぞましく怪しげに見るものに迫ってくる。髪そのものが生命体であり腫瘍のような存在だ。見た目のおとなしくしなやかな女性が、髪だけは夜叉のようにうごめく時があるのだ。 木村絵画・鉛筆画はリズムの中でうごめくもの達を捕らえようとしている。捕らえられた者達が再び絵の中で音楽を奏でる。毒気と優しさを繰り返しながら、音楽が続いていくのだろう。見るものに、「こんな生き物が出てきて欲しい」という期待感を感じさせながら。絵画に触発された鑑賞者の願望の声が聞こえる。オタク性とアニメ好みの鑑賞者に揺さぶりをかける画家だ。 ![]() ![]() 以下、頂いた案内文からー 「12月末日・30日に『テンポラリースペース』にて開催予定の”木村環の画に藤谷康晴がドローイングする企画展”に先駆けて両者の作品を比較して観ることが可能な、異色企画の前哨戦とも云える機会となります。・・・」 木村さんは相当にこのイベントに集中しています。日程的に忙しいとは思いますが、チラリと覗くだけでも。後日、改めて紹介します。
by sakaidoori
| 2007-11-18 12:36
| ATTIC
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アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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