人気ブログランキング | 話題のタグを見る

栄通記

sakaidoori.exblog.jp
ブログトップ
2007年 11月 11日

397)ミヤシタ 「林亨・展」 10月31日(水)~11月18日(日)

○ 林亨・展 (「絵画の場合」展の関連展覧会)
    「目を閉じて」

 会場:ギャラリーミヤシタ
    南5西20-1-38 西向き  
    電話(011)562-6977
 会期:2007年10月31日(水)~11月18日(日)
 休み:月曜日
 時間:12:00~19:00 (最終日17:00)

 白い壁に作品の色や勢いが発散し、ギラギラしている。とてもタイトルにあるように、「目を閉じてーたおやかさのかたち・・」という弱気なイメージではない。

 「目を閉じて」・・・。
 絵は悲しい。目を閉じれば絵が見れないのだ。「目を閉じた時の、私のイメージです」とも、「この絵を一度目にして、それぞれの方が深く静かに瞑想の世界のきっかけにして下さい」と見ればいいのであろう。きらびやかな絵のイメージの判断は僕等鑑賞者に全てを委ねていることは間違いない。
 だが、それが全てならば、「絵画の場合」に参加する意味が無い。なぜなら、この人たちは作品を挟んで、絵画の喜びだけでは無く、「絵画とは何か?」を一般鑑賞者を含めて悶々とし、作家自信が「俺にとっては絵画とはこれだ」を一つでも明確にする場なのだ。林絵画は多くの矛盾を抱えている。「目の開閉」という基本的矛盾、「鑑賞の自由度と言語による明確化」という齟齬。今展では枠にぴったりと収めてはいるが、枠からはみ出た作品も発表している。そもそも、絵そのものが「たおやか」という言葉でカバーするには無理がある。

 ポロック調のドロッピングは何層にも敷き詰められ、「あやかし」くもあり、日本的美にも近い。「ポロック的狂」とは違った、美そのものの中に潜む「狂い」を遠巻きにしながら、林ワールドは進んでいく。

 林さんとは展覧会場で軽い会話をしただけである。その人となりを語るには失礼と思うが非常に紳士である。紳士ーそれは右手で握手しながら左手に拳銃をもてあそぶ人である。林絵画の魅力は美しさの影の振幅の激しさ、矛盾する主張を目を見開いて見定める楽しさだ。(11・7)

397)ミヤシタ 「林亨・展」 10月31日(水)~11月18日(日)  _f0126829_13512872.jpg397)ミヤシタ 「林亨・展」 10月31日(水)~11月18日(日)  _f0126829_1352407.jpg











397)ミヤシタ 「林亨・展」 10月31日(水)~11月18日(日)  _f0126829_13541146.jpg
397)ミヤシタ 「林亨・展」 10月31日(水)~11月18日(日)  _f0126829_13554795.jpg
 ↑:1階の様子と個別作品。

397)ミヤシタ 「林亨・展」 10月31日(水)~11月18日(日)  _f0126829_13571979.jpg
397)ミヤシタ 「林亨・展」 10月31日(水)~11月18日(日)  _f0126829_13581931.jpg
397)ミヤシタ 「林亨・展」 10月31日(水)~11月18日(日)  _f0126829_13593727.jpg
 ↑:2階の様子と個別作品。

 1階と2階のムードは微妙に全然違ってみえます。1階は個別作品との対話。ゲシュタルト的に人の顔に見えたりして、想像電波を張り巡らせて下さい。
 2階はベンチも用意され、陽に当たる部屋全体にお邪魔している感じです。

by sakaidoori | 2007-11-11 14:12 | ミヤシタ


<< 398)テンポラリー 「谷口顕...      396) たぴお 「和田裕子 ... >>