綺麗なパンフレットがギャラリー廻りで手に入る。道外の美術館に行く機会が少ないので、貴重な情報だと思っている。しかし、持って帰るばかりで溜め込むことが多い。一応は捕ってはいるが、なかなか整理できない。どうせだから、自分にとって貴重なパンフはここに残しておこう。細かい展覧会情報を書くことを目的にしない。パンフのビジュアル情報を中心にしたメモ書きだ。

○ 「埼玉ゆかりの芸術家」展 ~近代・現代の埼玉の美術~
サトヱ記念美術館(埼玉県加須市)2007・8・4~11・4
上の写真は小松崎邦雄(1931年・東京生~1992年・浦和市没、享年61歳)、「春の嵐」・1964年。大きさはわからない。33歳頃の作品。
白黒まだら模様の牛の群れ。体つき、表情とひょうきんな姿に不安さが立ち込めている。群れの中に子供が泣いている。子供っぽい大人が付き添っている。群れから離れたところに繋がれた一頭の牛、水平線の向こうに、青黒色の空、雷。これといった鋭い線も大仰なところも無く、画面全体に言い知れぬ淀み、不吉が覆っている。児童画的というのか、生き物の群れとユーモアさで表現しているのが気に入った。

○ 松井龍哉・展「フラワー・ロボティクス」
三戸芸術館現代美術ギャラリー(茨城県水戸市)2007・11・3~2008・1・27
ロボットなのだろう。とても優しく綺麗だ。ロボットは欧米の機能的世界の産物だ。知の対象物だ。それに名前を付けて、ペットや愛玩物にするのは日本の特許のようだ。「物」を優しくいとおしむ気持ち、悪いことではないが・・・。それにしても素晴らしい。弱弱しくもあるが、すくっと立ち、丸みを帯びた質感が思わず触りたくなる。ロボット工学、ロボット・デザインはどこまで進むのだろう。
松井龍哉。1969年生。1991年日大芸術学部卒。