栄通記

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2007年 10月 18日

353) ②洞爺 「洞爺村国際彫刻ビエンナーレ 2007年入賞作品展」 9月22日(土)~10月21日(日)

 (352番①の続き)
 
 好みを図録より。

353) ②洞爺 「洞爺村国際彫刻ビエンナーレ 2007年入賞作品展」 9月22日(土)~10月21日(日) _f0126829_2328049.jpg ←:天野裕夫・「大鑑巨砲主義」。
 戦艦大和でしょうか。太平洋戦争時代の日本海軍の戦略思想を揶揄したようです。最近のヤマトに関する映画化に対しても反応したのかもしれません。巨額の富と英知の産物、結果は数千人の命と共に海底に沈んだ。その海底での亡霊のような姿を漫画的に造形化し笑い転げているようです。
 もっとも、大鑑巨砲主義は日本海軍の専売特許ではないでしょう。アメリカも大きな戦艦を造りたがったが、大西洋と太平洋を繋ぐパナマ運河の通行の為に、大きな船が造れなかったのです。

353) ②洞爺 「洞爺村国際彫刻ビエンナーレ 2007年入賞作品展」 9月22日(土)~10月21日(日) _f0126829_23284830.jpg ←:杉山吉宏・「はじめ と おわり の あいだ」。
 (白いアルミ板が曲がっているのは写した本のめくれの為で、平らな板です。)板をくり抜いて、家を作ろうとした作品。しかし、よく見ると、クリ抜きをそのまま盛り上げても、作品のような家は出来ません。2枚は全部切り抜いて、繋ぎ合わせているのです。ちょっとしたトリックです。家は完成しそうなところで止めています。板という2次元が家という3次元になり、動きを止めることによって、四次元の世界に誘おうというのでしょう。そんな僕の屁理屈はどうでもよろしいのです。
 シンプルで美しく、何かが始まろうとしている。爽やかな時空と、「知の世界」に魅入りました。

353) ②洞爺 「洞爺村国際彫刻ビエンナーレ 2007年入賞作品展」 9月22日(土)~10月21日(日) _f0126829_23534051.jpg
 ↑:CASTELLANOS(グアテマラ)・「飛んでいる涙の内側」。
セピア色のクリスタルの中にいろんな物が詰め込まれています。シュールでもあり、ロマンチックでもあります。ロマンとは言っても、外人のそれは甘ったるさがありません。鋭く気位の高さが感じられます。

353) ②洞爺 「洞爺村国際彫刻ビエンナーレ 2007年入賞作品展」 9月22日(土)~10月21日(日) _f0126829_022628.jpg
 ↑:DARIZAV(モンゴル)・「太陽と月と空」。
 女房の好きな作品。
 実はこの作品の良さは僕にはわからないのです。こういうのを彼女が好きだとは知りませんでした。絵を見ていると、互いの感性の違いに驚くことがあります。まさしく、そういう一瞬でした。

353) ②洞爺 「洞爺村国際彫刻ビエンナーレ 2007年入賞作品展」 9月22日(土)~10月21日(日) _f0126829_08399.jpg
 ↑:DELA SIERRA(メキシコ)・「自分の宇宙に手を伸ばす」。
タイトルの通りです。というか、作品を見た時に思った言葉が、そのままタイトルでした。素材の木の温かさ、人物の優しさ。いつも傍に置いて愛でたい作品です。素直な気持ちで「夢があるな~、希望があるな~」と、思いました。

 まだまだお気に入りは沢山あります。キリがありません。
 最高賞は200万円でお買い上げ。金額は知りませんが、他の入賞作品も賞金兼お買い上げです。旧村営の施設を改修して、美術館に衣替えになるそうです。そこに、今までのお買い上げ作品などを展示するそうです。町(村)では入選の中から適当に購入していて、それらのコレクションも同時に公開する予定。僕は「創造」をコレクションにするように、受付の人にお願いしてきました。旧洞爺村はビッキの作品も所有しています。収蔵設備不備で、お蔵入りの状態でした。晴れて立派な「場」に収まることが出来そうです。新美術館の完成時期ははっきりとは聞かなかったのですが、工事は現在進行形です。

 旧村民自身も入選作品を購入していて、個人コレクションもそれなりの厚みがあるそうです。幾等での購入かは気になるところですが、素晴らしいことと思います。今展、何点が町に残るのでしょう。

by sakaidoori | 2007-10-18 23:50 | []


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