2007年 10月 16日
○ 2007 伏木田光夫・油絵個展 会場:時計台ギャラリー 2階A・B・C室 北1西3 札幌時計台文化会館・中通り南向き 電話(011)241-1831 会期:2007年10月8日(月)~10月13日(土) 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで) 「どうぞ、どうぞ。好きなだけ撮っていいですよ」 「僕、インターネットに展覧会の感想を書いているんですが、それに写真載せてもいいですか?」 「ウ~ん。よく解らないが、変なこと書かなければ、いいよ」 お馴染みのベレー帽をかぶって、独特のゆったりとした言い回しで気軽に承諾を頂いた。有難う御座います。 時計台ギャラリーで毎年のように個展をされている。札幌では44回目。数多き当地での個展で、僕はたかだか最近の5回しか見ていない。過去の作品は図録なり、浦河の伏木田光夫美術館の作品でカバーしている。 近々の作品は明るくなった、と簡明に言える。過去を知る人程、その思いを強くするだろう。一昨年、僕は会場があまりに明るいので、思わず氏に尋ねた。とつ、おいつと誰に語るというわけでもなく、30分ほど話を伺った。「・・友達は随分向こうに行っちまった。時々夢に、彼らがこっちに来いよって言うんだよ。悪いんだが、僕はまだ向こうに行きたくないんだよ。この世に未練があるんだよ・・・・そんな気持ちが絵を明るくしているんだろうね。・・・」 今回はどうか。明るいという傾向は同じかもしれない。それよりも、非常な驚きで3部屋の絵を見て回った。丁寧に丁寧に描いている。まるで、初心に帰った心境でキャンバスと対峙している。静物、風景、人物・・丁寧に愛情を込めて描いている。 氏は宗教家ではないが、思想としてバイブルに基づく宗教画を描く。観念としての伏木田理解には重要な絵画群なのだが、今展はたったの1点しか出品していない。思想家・伏木田の中に元々あった、ロマンティスト・伏木田を鮮明にした結果だと思う。ロマン・・女性賛歌はそれほど強くない。意外にも回顧的だが人間賛歌が強い。最も強い愛情表現は自然であり花だ。花がきっと女性性を代表しているのだろう。 静物画、空間造形の追及の場だ。だが、絵画的追求の姿勢は、一つ一つの物、物と物との間隔、物を成り立たせている場としての空間、それらが何とも言えず、優しさが感じられるのだ。こびることなきロマン主義を絵画の造形空間にしのばそう、埋め込もうとしている。しかも、一からの画学生のような素直な姿勢で。 若い頃に氏はフランスに住んでいた。絵の勉強をしていた。今展で想像してしまったのだが、後期印象画を随分と見て勉強したのではないのか。絵を見ながら、つい、「ゴッホだ、セザンヌだ、モネもいる」と口から出てしまった。 (タイトル等はは明日載せます)
by sakaidoori
| 2007-10-16 01:24
| 時計台
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アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
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