栄通記

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2007年 10月 07日

339)大同ギャラリー「益村信子・個展」 10月4日(木)~10月9日(火)

○ 益村信子・個展  PART17
    THE DANCING GALAXY 4 

 会場:大同ギャラリー
    北3西3 大同生命ビル3F・南西角地 駅前通東側
    電話(011)241-8223
 会期:2007年10月4日(木)~10月9日(火)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00)

 僕は「栄通記の案内板」で、「・・・おそらくインスタレーションだと思います。部屋全体を使った世界だと思います。その印象を『走る、走る、益村ワールド』とメモした記憶があります。しなやかに美しく、波打ち、走り抜ける世界です」と紹介した。何としたことか、ガラスのドアの向こうに見えるのは・・・
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・・・壁面作品ばかり・・・。期待とは裏腹な一望に気を取り直して会場へ。外からは見えなかった作品を含めてぐるりぐるりと壁面鑑賞。益村さんには申し訳ないが、その見えなかった壁面のコンポジションというのか、コラージュというのか、小品群に釘付けになってしまった。

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 15×20cm程の一作品を背景色を変えながら6個、8個とデザイン的に組み合わせて、おとなしくそこに並んでいるだけなのだ。全部で50作品。「溢れる益村」と「デザイン益村」が始めはしっくりこなくて入れない。そのうちに、切って貼られた一つ一つの組み合わせが、なんともユーモラスにこちらに語りかけてくるのだ。素材の各部品は自分で撮った写真や新聞広告のチラシなどだ。鮮明な写りばかり、それを切って、貼って、組み合わせてお仕舞い。初めは全体のリズムが心地良い。次に貼られた部品の被写体が気になる。エビとかサンマとか、海外旅行の風景とか。そういうことをまぜこぜにして、全体がひとつのまとまった世界として語りかけてくるのだ。ある人は「卒業時のプレゼント」を見つけ、「本の重なり」とも言い、勝手に思いつくまま連想の世界に浸ることができる。
 益村さんのインスタレーションはセクシャル薄き美の世界と言える。それは自分の体の中の世界であり、可視・不可視の世界像ともいえる。真摯に取り組むから、溢れてはいるが端正でもある。この小品群の最大の長所は端整ではであり、ユーモア一杯、益村ワールドを元気付けていることだ。ユーモアと言っても画題はけっして可笑しくない。あくまでも、形・色・組み合わせから醸し出される「絵の世界」が面白いのだ。だから、この手法で背景までもコラージュした2点の作品はいかに手法が似ていても、別個の世界だ。一つの宇宙像だ。

 久しぶりの益村ワールド。意外にも自分の気持ちを溜め込んで、鑑賞者と語り合える場に仕上げた。「ちょっと一服、あなたと一緒に」。他の壁面作品は真正面から、宇宙像・空間像と取り組んでいる。こちらの不手際で個別の作品のタイトル名を記せないので、まとめてタイトルだけ書いておきます。彼女が何を描きたいかは想像出来ると思います。この真摯な世界像に益村ユーモアはどう生かされていくのか。次の見る視点です。

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 タイトル:「何が見えるの」。「四角~五次元理論~四角」。「にぎやかな宙(そら)」。「ma~五次元理論~まる」。

by sakaidoori | 2007-10-07 20:56 |    (大同)


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