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栄通記

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2007年 09月 24日

324) ①小川原脩美術館 「風の中の展覧会」・彫刻 8月27日~9月28日(金)

○ 「風の中の展覧会」 Ⅳ

 会場:小川原脩記念美術館
     倶知安町北16東7
     電話(0136)21-4141
 会期:2007年8月27日~9月28日(金)
 時間:屋外の為、24時間鑑賞可能
 料金:無料

 参加作家:伊藤幸子、小野寺紀子、笠原昌子、川上勉、川上加奈、橘井(きつい)裕、林雅治、藤田尚宏、以上8名


 同時開催の麗彩会展の最終日に見てきました。この展覧会は28日までやっています。美術館の裏手の芝生の上に展示しています。この辺りを立ち寄る機会がありましたら覗いてみてください。おそらく、適当な時間まで照明があると思います。

 全体写真は野外の広さに比較して、一点一点が小ぶりなので上手く収まりませんでした。なるべく、全員の写真紹介をしたいと思いますが、コメントはどうしても関心の高い作品・作家に力が入りがちです。何より、掲載順番が栄通好みと判断してください。

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 ↑:川上加奈。「はこぶ人」、2007年、FRP、140×170×80cm。
 漆仕上げではありません。だから、色がカラフルです。昔話を題材にした作品に見えます。「かぐや姫」や「金の玉」にまつわる話です。女性の顔が何かを求めて、憧れて、大事な宝物と一緒に天に昇り詰めたいといった風情です。人形のいつもの「加奈・顔」が今回もいいですね。ちょっとお茶目な感じもするし、冷たくもあるし。

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 ↑:橘井裕。「鉄学の小道」、2004年~2007年、鉄。
 恐竜の間を通り、芝生には幅の狭い鉄板が道にあしらえて並べられ、鉄のテント・ハウスへと誘われます。テントには鉄で出来た昆虫や蓑虫?が引っ付きぶら下がり、鉄学の道として橘井・スクラップ・ワールドを楽しむわけです。針金細工の大人版、錆色が緑と青と、羊蹄山の高みと良く合います。だいたい、いつもこの辺に展示して山が守護神のようにして鎮座しているわけです。

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 ↑:笠原昌子。「からっぽの世界」、2007年、石膏・着彩。
 中は空洞で足先だけが飛び出ていて、体を何かが覆っているといった感じの作品。こういう作品は概して顔が隠れていているものです。具象的でありながら、何とかしてボリューム感(造形力)で想像力をひきだそうと作家は工夫・苦労しているのではないでしょうか。笠原さんは人と膨らみと見る人との共振をいつも考えているのではないでしょうか。

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 ↑:小野寺紀子。「音研生」、1982年、ポリエステル樹脂、126×72×96cm。
 タイトルはどういう意味なのでしょう?25年前の作品です。現在、60歳弱の作家、どうしてこんなに古い作品を出したのでしょう?何か作家にとって記念作なのでしょうか?大地に飾ってみたくなったのでしょうか?

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 ↑:川上勉。「Moon-tan」、2007年、FRP、70×85×40cm。
 FRPで、加奈さんと同じく非漆仕上げの白色。何かご夫婦で申し合わせたのでしょうか。バナナのような形はタイトルからして月なのでしょう。都会のビルがあしらわれています。加奈さんの「かぐや姫」に呼応したのでしょう。二作の位置関係もぴったりのようです。いつもいつも加奈さんと勉さんは同じことを考え、語り合っているのでしょうか。若いカップル、作品以上に二人が微笑ましく思いました。

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 ↑:伊藤幸子。「カイスイヨク’07」・2007年、石膏、76×36×28cm他。
 今年、STVホールでも出品した海水浴シリーズです。芝生を海に見立てての秋の海原。きっと子供達にも人気のあったことでしょう。

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 ↑:藤田尚宏。「再生気流」。2006年、黒御影石・白御影石、550×1550×1250cm。
 他の作品は美術館裏手に集中的に設置されているのですが、この作品は作品の風格に合わせて、入り口の広い駐車場の真ん中・分離帯に堂々と置かれています。公共彫刻を意識した作品に見えます。手ごろな大きさです。作品が周囲の空気層に気流を生む、より強い磁場を創るということでしょう。

 室内に林さんの作品があったので、それが今回の作品だと勘違いしました。タイトルが違っていたのです。というわけで林作品は見落としてきました。おそらく美術館の向かって右側にあったのでしょう。広い敷地を散策しなかったのが失敗の原因です。

by sakaidoori | 2007-09-24 23:15 | ☆(倶知安)小川原美術館


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