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栄通記

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2007年 08月 05日

282)時計台 「百野道子・日本画展」 終了(8月4日まで)

○ 百野道子・日本画展

 会場:時計台ギャラリー 3階G室
    北1西3 札幌時計台文化会館・中通り南向き
    電話(011)241-1831
 会期:2007年7月30 日(月)~8月r4日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)

 僕は彼女のファンだ。
 昨年の「近美会場:北の日本画展」で初めてお会いできて、それなりの時間話し込んだ。こちら側は日頃思っていた事、向こう側は新作を前にして表現したい事を語った。大きな新作は見る絵としての魅力には欠けるが、意欲作・実験作だと思った。3人の子供達が何にも描かれていない背景から茫洋と浮きあがらせようとしていた。説明を聞いて、「あー、暗い背景に女の子が立っている絵はこういうことを意識していたのか」と、興味深く聞くことができた。
 今展は初個展かも知れない。どういう展示方法、どういう作品を並べるか楽しみであった。彼女のとった方法ー旧作中心で、公募展的大作は避け、一人だけの人物画を中心にすること。優しく絵が語りかけて、絵の雰囲気を楽しんでもらおうという構成だ。寝そべっている白を強調した絵などは6年前の作品で、年々暗い絵になっている。しかし、展示は制作順になっていないので、その辺はわかりにくい。以前の作品を全体で提示している。(参考までに写真掲載は制作順にした。)展示構成で思ったのだが、彼女は「私の絵よ!私の絵よ!見て見て」という性格の人ではないようだ。教育大学時代の優れた描写力、力強い青年群像、何かを感じさせる絵画全体の雰囲気、ー彼女のファンは僕だけではないだろう。こういう作家は待たねばならない、此方がじっくり構えて、彼女の今を確認しながら遅い時間の進行を楽しまねばならない。

 会場にはお母さんが詰めておられた。作品に「Chie」とあるのは作家の妹さんがモデルだ。期せずして、母娘、3人のお顔を知ることができた。似ている。百野さんにとって、今展の画題は狭い。初個展、家族の方に一番に見てもらいたかったのかもしれない。

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 ↑:左側、「ゆめ」・変形30・2001年。右側、「I’m looking for・・」・F30・2002年。

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 ↑:左側、「Ballade」・F30・2002年。右側、「はる」・F25・2003年。

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 ↑:左側、「眼差し」・P100・2005年。右側、「ChiⅢ」・F50・2007年。

by sakaidoori | 2007-08-05 12:25 | 時計台


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