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栄通記

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2007年 07月 20日

265) 富士フォト・サロン 「フォトファン作品展」・写真 終了(7月18日まで) 

○ 第5回  フォトファン作品展

  場所:富士フォトサロン札幌
    北2西4 三井ビル別館1階・北向き
    電話(011)241-7366
 期間:2007年7月6日~7月18日(水)
 時間:10:00~18:30

 久しぶりに立ち寄る。
 風景を中心にしたグループ展。一人1点だろうか。淡々と見ていく。2点が気になった。お願いして個人用に写真を撮る。

 一枚は風景画。冬に摩周湖を見て、振り返った時の山並みの写真。冬の気だるさを強調したかったのだろう、少しぼやけ気味で、雪の白さに空模様のピンクが混ざっている。湖の前後左右に山が並んでいるのだが、はっきりと山名を確認できない。湖は屈斜路湖だと思われる。自分の目でこの景色を確かめに行こう。(「元日の朝、摩周湖を取り終え、振り向くと・・・。」、遠藤茂雄 撮影。)

 もう一枚。縦長、白黒の室内風景。子供がリビング・ルームの床に新聞を広げて、綺麗にびっしりと埋めている。カメラ目は2階に上る階段からで、手前の左右が壁で塞がれ、新聞紙が末広がりに床を埋めている。中央よりやや向こうに子供がしゃがんで新聞を並べていて、向こうの窓から淡い光が子供を背後から照らしている。窓際にある小さいテーブルも新聞紙が蔽っている。静かな子供だけの世界。この子供は何のために新聞紙を広げているのだろう。何かをするためというより、床を何かで埋めることに、いや、ただ時間が止まっているような場所で自動運動のように並べることに興味があるようだ。たたまれた新聞をゆっくりと一枚ずつ大きく広げて、きちきちに綺麗に並べていくこと。感情の起伏などない。一枚だけずれて床が少し顔を出す。風の無い部屋、引っ掛けたのだろうか。もし誰かが、「○○君、何しているの?」と、聞かれても、ふと顔を上げて定まらない視線を向けるだけだろう。「手伝おうか?」と声をかけても、首をゆっくり振るだけだろう。この後、少年はどうするのだろう。更に一枚一枚重ねていくのだろうか。自動運動。逆に片付けていって、初めからやり直すのだろうか。永劫回帰。
 不思議な写真であった。どこか他の方の作風と似合わない感じがした。被写体の子供か、あるいは撮影者自身が心を病んだ体験のある人のようだ。おそらく後者・・・・。子供の自閉的な一人遊びのような作業に限りない慈しみ、愛情を感じたのだろう。「本当に私達は大丈夫なのだろうか。大丈夫でありたい。たとえ無意味な作業をしているようでも、差し込む光を信じたい。信じよう。共に歩けるならば一緒に歩こう・・・・。」撮影者が静かな部屋にカメラの目で声をかけている。(「please・・・Love and Peace to children」、中山直子 撮影。)


 以下は富士フォトサロン、HPより

 「5回目となるフォトファン作品展。
 今回も被写体やカラー・モノクロを問わない幅広い作品の展示です。写真を撮る人だけにとどまらず、世の中のたくさんの人に感動と撮影者の思いを伝えたいと思います」





 

by sakaidoori | 2007-07-20 11:06 | 写真)富士フォト・サロン


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