栄通記

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2007年 07月 15日

257) コンチネンタル 「松原成樹展」 ~7月15日(日)まで

○ 松原成樹展

 会場:コンチネンタル・ギャラリー
    南1西11 コンチネンタルビルB1F・東向き
    電話(011)221-0488
 会期:2007年7月10日~7月15日(日)
 時間:10:30~18:00


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             ↑:①、本。      
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             ↑:②、石に刻まれた字のような松原足跡。    
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             ↑:③。

 これほど明快な石の彫刻展を見たことが無い。おそらく、松原彫刻は③の写真作品が主流だと思います。無駄なものをそぎ落として、それでいて優しく滑らかに仕上げていくのです。どこか壷の中に空間を閉じ込める雰囲気で、同時に時間を閉じ込めるといった感じです。どう閉じ込めるかというと、宗教的な御魂を白骨を壷の中に優しくしまいこんで、その儀式的な行為を含めて造形化しようとしているのではと思っています。人生の、生きるというドロドロとしたものを昇華して作品化していると思います。

 しかし、今展では同じように優しく仕上げてはいても昇華以前の人の営為としての過去を優しくじっくりと睨みつけています。過去を泥臭く見つめているのです。人を人足らしめている基準は直立二足歩行です。文化的には言語の使用です。現代文明の出発は文字の発見です。文字はいかにして現れたかというと、実に彫刻的作業を伴っているのです。オリエント象形文字、漢字は「石」に力勝負で刻んで掘り進めたのです。まさに神聖文字とは彫刻そのものなのです。印鑑にしろ篆刻にしろ正式漢字が朽ちることなく残った姿なのです。「book of books」といわれる聖書は何によって書き継がれ代々と残っていったのでしょうか。作家は文字が石とともに確立したという現象の中に聖書を石にして精神を讃えているのです。石の彫刻とは単なる美術上の造形ではないのだと、作家は自分に言い聞かせるように石に彫る、刻むことの原点を問いただそうとしているのです。もともと作家は人間精神のありようを、「意味」ということを含めてそぎ落として、自分の作品の空間の中に封じ込めて祈りの対象として作品を形作っていたと思います。あまりに素直に原点回帰の作家姿勢に賛辞を述べたくなりました。

 


by sakaidoori | 2007-07-15 01:38 | コンチネンタル | Trackback | Comments(0)
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