2007年 07月 09日
○ 鴻上宏子・彫刻展 arrival 会場:北2西2 STV北2条ビル・東向き エントランスアート 電話(011)207-5062 会期:2007年7月2日~7月22日(日) 時間:月~金 9:00~18:00 土・日 9:00~16:00 ↑:左側、「雲のゆくえ」。 ↑:二階のブロンズの小品。右側、「立つひと」。 1967年 夕張市生まれ 1991年 道教育大美術科卒業 1997年 二科会会友、道展会員 現在、江別市在住 オーソドックスな彫刻群です。2階にいく踊り場、外からはショー・ウインドーのようなところにFRPによる彫刻があります。樹脂系の透過性の作品で、自然光、人工光を浴びて作品が外から中から輝いて見えます。作家は人体に関心を寄せていると思いますが、人体を覆う皮膚にも多大な興味を抱いていると思います。形としての人体と面、生理的・肉感的な皮膚、造形家の腕の見せ所です。参加する鑑賞者と作品、展示会場の距離感・空気感も彫刻作品は多義にわたり楽しむことができます。それ以前に、作家自信が作品との距離感をどう造形化するという問題があるでしょう。それらを一緒くたにして、美術館や閉鎖ギャラリーとは違ってエントランスでいろいろ考えるのです。 鑑賞日にたまたま写真家の撮影シーンを垣間見ることができました。写真家は作家の意思を推し量るように、入念に作品とカメラの位置を確認しています。暫く同席しましたが、その間にシャッターを切ることはありませんでした。写真家自身の気持ちの高まりを待っているのか、準備しながら淡々と時を過ごしています。僕自身は思うままに写真を撮って、作品鑑賞の補助と記録、ブログへの報告という写真使命を終えて、その場を辞しました。写真家は間違いなく撮り終えたことでしょう。何に対するこだわりかはわかりませんが、出来上がった作品構成を見たいものです。それぞれの立場のこだわりに参加したいものです。 入って直ぐの、白い上半身だけの石膏作品。女性でしょう、張った胸と、上昇志向的な筋肉の張り、ねじれた顔の向きからくる動きが若さと力強さを感じて、少し理想形なのが喜んだ自分自身が不本意なのですが、自分に無い生命力を感じて印象に残ってしましました。 二階には本当に小さな作品で、持念仏のようなブロンズが4体あります。タイトルは「立つひと」、「座るひと」というもので愛玩したくなります。大きな作品もそうですが、この人は少し前屈みになった形態を好むようです。 「人」という字は象形文字ではひとが片足を進めて横から見た形です。同じように前屈みになっています。象形文字時代の中国・殷(いん)王朝の頃には一般名詞の「人」という概念はないでしょう。この「人」は具体的イメージだと思います。僕は手を縛られて、前屈みになって数珠繋ぎの隷属民のヒトリを具象化したものではないかと思っています。征服者・支配者・為政者からは人は屈するものでしょう。近代では自分自身を鏡とした時、ミケランジェロのように凛々しく自分を見れるのでしょうか。このブロンズのように屈んでもそれでも自分は居るんだなという姿に、共感してしまいました。ジャコメッティーは好きな作家です。彼の人体彫刻は限りなく小さくなりました。たとえ小さくなっても、小さくなったが故にと言ったほうがいいかもしれませんが、存在は却って強く訴えています。形を変えたヨーロッパ的強さでしょう。 ・・・なんだか、とりとめのないことをダラダラ書いてしまいました。失礼。
by sakaidoori
| 2007-07-09 14:29
| STVエントランスホール
|
アバウト
丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||