栄通記

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2007年 07月 08日

249) 時計台 「新出りヱ子個展」・油彩 ~7月7日まで

○ 新出りヱ子個展

 会場:時計台ギャラリー 2階B室
    北1西3 札幌時計台文化会館・中通り南向き
    電話(011)241-1831
 会期:2007年7月2日(月)~7月7日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)

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 (今週の展覧会。記事は後ほど。)

 新出さんは一年おきに個展をしている。しかも、半年で個展の作品を描ききる。そのエネルギーは注目に値する。「ただ沢山描けばいいのか」と、問うかもしれないが、沢山描けるということはそれだけで間違いなく評価されることだ。特に若い時に集中的に描いた経験のない人にとって、沢山描く事が絵画修行と高い自己表現の王道だと思う。あるグループ展で中年女性の出品作家と話が弾んだことがある。軽い会話の中で、「絵が上手くなりたいですね、どうしたらいいでしょう」と、聞かれた。間髪を入れず応えた。「去年、10点の作品を描いたと聞きました。今年は一点でも二点でも多く描きましょう。少しお金がかかるし、時間に余裕が無くなるかも知れませんが、絵が上手くなるにはそれしかないですよ。絵により以上時間を使うこと、できればより以上作品として形に残すこと、それだけですよ。どんな人でも時間は有限です。何かを犠牲にするかもしれない覚悟がないと、絵は上手くならないと思います」

 新出さんは個展経験が豊富だ。だから、明快な目的意識で出品している。一番上の作品は130号の3連作だ。公募展では発表できない大作だ。しかも、勇気をもって、壁一面を広々と使って展示している。まるで美術館のようにだ。作品が壁の力に耐えれるかを試している。訪問客からは概ね好評との感触を得たようだ。タイトルは「九の感動」。野球の日ハム・ナインを讃えた絵だ。9人の選手をちりばめているのだ。こじつけと言うなかれ。言われてみれば野球場のような絵ではないですか。絵としてはどこか一本調子で、あっけらかんとドーンと中央に描いて、余白(背景)に対する配慮などチョッと言いたくなるところはあるが、なんと堂々とした絵だろう。悩みや深みが無いと言うなかれ。そういうことを追求した絵ではないのだ。

 以前は勢いばかりの個展になりがちであった。2年前は画質感、静謐感、こもる生命力と表現に幅が出てきた。勢いの中で、絵と静に向かい合うという姿勢が出てきた。今展はその成果を踏まえて、本来の勢いを加味した作品が出来上がった。その代表作が下の3点だ。こんなことを新出さんに言ったら怒られるかもしれないが、「ほんとに上手くなった」と思う。

 体力的にも力勝負の絵はそんなにいつまでも描けないと思う。だが、絵から省略や捨象的作業の時期は年とともに間違いなくやってくる。悔いることなくパワーを撒き散らして、深みのある絵にチャレンジしてください。

 言い忘れましたが、絵の画題は全て向日葵です。彼女は向日葵一本で勝負しています。向日葵の部分部分が種にも動物にも見えます。抽象的向日葵ということでしょうが、向日葵が新出・絵画を育て、新出・絵画が向日葵の可能性を開いたと思って見ています

by sakaidoori | 2007-07-08 00:26 |    (時計台)


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