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栄通記

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2007年 07月 02日

244) タピオ 「青木崇3回忌展」 終了(6月30日まで)

○ 青蝉忌展   北の詩人青木崇3回忌展

 会場:タピオ
    北2西2・中通り東向き・道特会館1F
    電話(011)251-6584
 会期:2oo7年6月25日(月)~6月30日(土)
 時間:11:00~19:00

 出品作家:大島龍 大友洋子 鈴木順三郎 高坂史彦 竹田博 中森秀一 林教司 別府肇 三宅悟 和田裕子

 
 詩人の青木さんを偲んでのグループ展です。
 最終日の終了時間頃に見に行きました。竹田さんに酒を勧められましたが、体調不調につきお断りして絵画鑑賞に時間を過ごしました。作品の持ち帰りの都合で、多くの作家さん達が大きな円卓を囲んでそれぞれの会話を静に楽しんでいます。熱く語るわけでなし、かといってふざけた言葉が場を圧するということはありませ。、50を過ぎた私にはなんとも心地良いのです。竹田さん以外にはこれといって話をしたことのない人達ばかりですが、こちらとしては気にしてるような、気にならないような気分で絵を見るわけです。

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 ↑:和田裕子(全道展、版画部門会員)、「白いアマリリス」・アクアチント。

 和田さんの黒に包まれた花、アクアチントという技法が気になって、そこにいる女性が和田さんと勝手に判断して質問しました。帰宅して調べればいいのですが、直に教わった方が記憶に残るのです。ついでに銅版画の他の技法まで尋ねたので、肝心のアクアチントのことは忘れました。要するに腐食技法で、エッチングの線としてでなく、面として深みのある色合いを出すのです。上の部分の黒い部分がそれです。作品は一見写真のようです。いえ、写真よりも写真らしい。余計なものを削ぎとって、優しい黒地から花びらを輝かせて、すくっつとした立ち姿。和田美意識が人間臭く閉じ込められているように感じました。12月?にはタピオで個展をされるそうです。


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 ↑:三宅悟、上段「みのり」、下段「冬の日」。

 昨年、富樫正雄アトリエ開放展で三宅さんの文章に触れることが出ました。三宅さんが富樫作品を5点ほど修復していて、その関係で人間(先輩)・富樫とその作品を語ったものです。非常に印象に残っているので一部分を抜粋します。


 ○「北大の思い出と青い線」 三宅悟。

・・・・。
 富樫さんは生涯を通して樹木を描き続けたが、それは樹木の生命観を表すばかりでなく、枝が空に広がっていくことと、空に寒色暖色の混ざり合った微妙な色のタッチを置くことで、枝と空間の奥行きが一体となり、絵の中に音楽的なリズムとハーモニーを生み出している様に見えます・・・。


 前半の言葉は風景画に対して誰でも思うものです。後半は画家が対等に作品群に対峙して、対等な視点で絵画的に富樫の魅力を語っています。上からの説明的な語りとは大きな違いです。
 絵を描かない僕はとても三宅さんのようには語れない。当然なことですが、自戒・勉強を込めて記録しておきます。
 
 三宅作品のことです。
 三宅さんが風景画を描くことは知ってはいますが、印象としては暖かく時間を停めて、何か物思いにふけりたい作品だけが印象に残ります。例えば写真で紹介した上の作品です。風景画は風景そのものを見つめているようです。非風景画(理想・涅槃画)は風景と自分の関係、願望、思索を正面にすえて風景が背景に後退しているようです。作家は制作時間はどちらも同じくらいだが、制作量は7:3あるいは8:2で風景画を多く描いていると言っていました。デッサンを含めて、作家にとってはジャンルに対する根っこの部分は共通なのでしょうが、出てくるものには違いがあるのかも知れません。


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 ↑:別府肇。


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 ↑:林教司。

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 ↑:中森秀一。


 会話と鑑賞に時間を費やして、片付けが始まって写真を撮り始めました。今回は和田さん、三宅さんの紹介が中心になりました。すいませんでした。


 




 

by sakaidoori | 2007-07-02 13:31 | たぴお


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