栄通記

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2007年 06月 26日

235) ⑤全道展によせて、会員・高橋靖子

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 上の作品は高橋靖子、「’07[記]ミドリ」です。
 彼女のことも以前ギャラリー「どらーる」掲示版に投稿したのです。どらーるの企画に関係ない投稿でしたので、何の反応もありませんでした。僕にとっては忘れられない文です。思っていることをそれなりに書けれて、書きながら思っていることから離れて文章が出来上がりました。その時の個展は赤が印象的でしたが、今回は「緑」です。赤と緑、情熱的な組み合わせです。再掲しますので、読んで頂ければ嬉しいです。

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[3259へのレス] 3D--高橋体験 投稿者:栄通(丸島) 投稿日:2005/09/11(Sun) 15:50

 『2003年札幌・試み展』の時、彼女の作品を観た。何も感じなかった。赤やブルーの下地にマジックでいろいろな記号を書き印していた。ただ線を引いたり、落書きしたり、意味も無く模様を書き続けると、人は没我状態になり気持ちのいいものだ。自己イニシャルの刻印。その程度の印象にして、とりあえず記憶にしまい込んだ。

 その後二度位単作を観た。同じだった。
 ‘03年暮、タピオの個展の時だった。ギャラリー巡りでかなり疲れて、最後にここに来た。五時半頃だった。何だか皆な忙しそうに浮き足だっていた。落ち着かない空間だ。何が始まるのだろうか。構わずにイスに座ってボーと例の特異な作品を眺めた。疲れと黄昏ということで、自分が段々イスと一体となって3m位先の絵面,字面を追った。ほとんど無意識に。
 突然字面が動き出し、下地色が後に下がり、字が色模様となって飛び出してきた。3Dに成った。3D---少し違った二枚の写真を、40cm位離して、ひんがら目にして重ね合わせると物なり模様が飛び出て浮遊して見えるトリックだ。なぜだかこのトリック体験は何ともいえない幸福感に浸ることができる。絵は目を誤魔化して成立するものだと始めて知った。字が躍りだした。色が踊りだした。
 このことをあるパーティーで女性に話したら、「お酒飲んでいたの?」と、アルカイックなスマイルで返事がきた。妻に話したら、「お父さん。目、悪くなったんじゃない?」と、笑われた。〈彼女は利き目が強すぎて3D体験ができないのだ。)酒は飲んではいないが、確かに体内アルコールが分泌して、視力低下状態でのことだったかもし。れない
 一度こういう『高橋体験』をしたら薬(ヤク)の様なもので、彼女の作品がおもしろくて仕方がない。

 今展は二部屋を利用した贅沢な個展だ。A室はチューリップのように赤・青・黄などの色の世界だ。下地が綺麗で吸い込まれそうな作品群だ。B室は『赤と白』の世界だ。
 B室を語ろう。
 僕には体から滲み出る血の色にみえて仕方がない。当然彼女自身の肉体であり、その血だ。出血症の悪性ウィルスに犯された死んだ血だろうか?健全な肉体のほとばしる健康色だろうか?死んだ血だとて、ミクロの世界に入れば生きたウィルスがわんさと棲んでいる。遺伝子記号はYTYTYTYT・・・・の連続のはづだ。死ぬるもYT、生きるもYT。B室全体に彼女の血と肉体の生理をかんじた。バッコスの『血の祝祭』だ。

 一点だけポプオプアート風の目くらまし作品があった。無いほうが統一感があるが、これが彼女の遊び心だろう。「私の作品あんまりマジに見ちゃダメよ」、と。  (長いお喋り、御寛恕を)

 (栄通の代表作。何のコメントも無し。)

 (明日図録より参考写真を載せます。)

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 ↑:全て全道展図録より。
 左上、「’06[記]セルリアンブルー」・F120。
 右上、「’05[記]Ⅱ」・S100。
 左下、「’04記[Ⅰ]」・F100。
 左下、「’03(記Ⅲ)」・f120。

by sakaidoori | 2007-06-26 23:51 | 市民ギャラリー


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