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栄通記

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2007年 06月 22日

228) 市民ギャラリー 「’07 札輝展」 終了(6月17日まで)

○ ’07 札輝展

 会場:札幌市民ギャラリー、2F
     南2東6
     電話(011)271-5471
 会期:2007年6月12日~6月17日(日)
 時間:10:00~17:00

 「明日への具象画展」の砂山さんとお話しをしていると、後ろでじっと見ている方がいます。何処かでお会いした方と思うのですが思い出せません。紹介しあうと、木村環展で「栄通記」を通して知り合った本田滋さんでした。
 本田さんがどんな絵を描くか知らないので、直ぐに作品の前に直行です。

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 サムホール程度の極々小品です。他に花を描いたより大きいのがあったのですが、こちらのほうが面白いです。本田さんは普段は常識的な世界に生きていると思うのですが、砂川さんと違って、絵を自分好みで楽しんでいます。おそらくデッサン力とか基礎的な修行は不十分な方だと思いますが、絵に情熱を傾けているという感じです。「絵ぐらい思いっきりするんだ」と絵が語っていると思うのです。暗い色調、重たいムード、一気一気の線と筆のタッチ、表現主義的な手法に絵に対する強い思い入れを感じました。もっと大きくて、まとまった量の作品を見たいです。換わりに写真で他の作品を見ることができました。是非是非いづれは資料館で発表してください。

 札輝展は油彩に限らず水墨画、インスタレーション、和紙人形、水彩、写真と分野を問わない展覧会です。しっかりと話を聞いてこなかったのですが、全国規模の日輝展の地方組織だと思います。何点か写真紹介をしたいと思います。(続く

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 出品作家は35名程いて、すいませんが省略させていただきます。何点か気になった作品を紹介します。

228) 市民ギャラリー 「’07 札輝展」 終了(6月17日まで)_f0126829_10101696.jpg ←:顧問の北村トシヒロ、コラージュ。
 右側の作品は「ノスタルジア」と思ったのですが・・・。冷蔵庫の裏側に取り付けてある触媒装置を楽器に見立てた作品。背景の黒は石炭様で、地下に眠る同僚への鎮魂歌でもあります。暗いが重くなく音楽で弔っています。





228) 市民ギャラリー 「’07 札輝展」 終了(6月17日まで)_f0126829_10122042.jpg →:若狭馨世、「桜」・油彩。
 春爛漫です。春は桜、桜は桃色、桃色の世界に物語が生まれ、絵描きは散る心をいとおしみ、盛を謳歌する。時には残酷なまでに時を止めてしまう。
 立体的表現を取り入れ、各面が花の目のように輝いています。





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 ↑:関未浦、「愛」・「記憶の池」・「蝶蝶」の2点、アクリル画。
 若い人だと思います。この団体のおかしさとというのか魅力は作品傾向を度外視した無手勝流にあります。本田さんの絵に混ざって彼女のような絵を見れるのは実に愉快です。関さんの絵は愉快以上に更に見たくなります。更に更に、感性・表現力を高めて続々と発表されることを期待します。

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 ↑:平松和芳、コラージュ。セメントの中に女性器を埋め込む平松さんです。あの平松さんです。お顔は見たことがあったのですが、顔と名前がはじめて一致しました。ロートルではありますが、実にかくしゃくとした、白髪を交えたダンディーな画家です。無手勝流のご本尊のような人が札輝展にはいるのですね。
 新作かどうかはわかりません。発表の場を考えて、少しおとなしく明るい作品になっています。

228) 市民ギャラリー 「’07 札輝展」 終了(6月17日まで)_f0126829_10454993.jpg ←:長谷川信子、「川遊び」・シルクアート。
 インドネシア技法のロウケツ染だと思います。「バッティー」と言ったと思うのですが、正式手法名は定かではありません。蝋を小さなやかんに入れてあっためて、溶けている間に垂れ流して線描をするのです。絵の白い部分が蝋の跡です。他は手彩色でシルクに絵を描いていると思います。札幌にも2,3教室があってみたことがあるのですが、彩色が薄く軽やかで童話風でした。蝋の技術的なことは線を震えることなくどれだけ自然に引けれたかにあるようです。写真作品は縮小されているので、かえって白い線の確かさ・不確かさが鮮明に出ているようです。

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 ↑:北村弘昭、「初夏」・油彩。
 最後になりました。時には木々に埋もれて、軽やかに想いにふけるのも、良いではありませんか。

by sakaidoori | 2007-06-22 11:04 | 市民ギャラリー


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