栄通記

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2007年 06月 16日

224) ミヤシタ 「井上まさじ展」・油彩 ~6月24日まで

○ 井上まさじ 展

 会場:ギャラリーミヤシタ
    南5西20-1-38 西向き  
    電話(011)562-6977
 会期:2007年5月30日~6月24日(日)
 休み:月曜日
 時間:12:00~19:00 (最終日17:00)

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 「明るく、清く、美しく」という言葉がある。更に「深く」と言い添えれば・・・。

 4年前の話、30分程の作家スピーチの場で、井上氏は自分の作品をこう語った。
 「僕には表現したい何かという物はありません。作業場に行って、椅子に座って、小道具を使いながら作業を進めると落ち着くのです。ただそれだけです。申し訳ないのですが、僕のスピーチはこれで終わりです」

 これで終わってもいいのだが、作品に興味が沸いたので適当に質問をした。技法のこと、北海道に来た理由、好きな作家・・真摯に応えてくれるので持ち時間はあっという間に終わった。「昔は具象的な作風だったが、描けれなくなった時、北海道を旅しました・・昔は熊谷守一が好きだったが、今は特にいないですね・・支持体に下塗りをして、乾く前にサランラップで上からあてがって離すのです。表面に凸凹ができて、乾いたらその凹みを埋めるようにして薄く塗り、乾く前にサランラップで蔽って離して、その繰り返しですね・・・・」

 僕は画家ではないから技法そのものには強い興味はない。出来上がった作品に心躍らされる時、話の流れで技法を聞いたりする。なるほどなるほどと思うのだが、絵を描かない悲しさ、厳密な意味では解っていないし、あらためて説明するとなると表現力不足で情けない思いをしている。
 今展の井上絵画は横線の中に色が埋め込まれている。横ラインで何度も何度も塗られたのは間違いない。オーナーに伺うと、糸を横に張り巡らせて、その上から何度も何度も重ね塗りをされたとのことである。細かい作業工程は解らないが、糸の目が層をなして色として埋め込まれているのだ。作家は何かを意図して重ねる色を選択しているのだろうか?尋ねれば間違いなく「何も考えていません」と応えるはづだ。作家が深部を言葉として出さない以上、作家を無視して作品と向かい合うのが全てだ。向かい合う自分をみつめるしか術はない。

 僕は自然の観想として井上絵画を見ている。海、湖、空、木立として眼前にあり、太陽が光として全てを被い、時間は光の強弱という計らいで進行し、色の綾なす世界としてあたかも生命体が満ちているかのごとくして、画面一杯に存在する。色の持つ力、井上氏は色を生命の再生と捉えているようだ。心穏やかにして進行する絵画作業は色との対話なのだろう。小道具は色の可能性を引き出させる仲立ちなのだろう。紙と鉛筆がなければラブ・レターは書けないではないか。作家は場を造って、空気を整え、光の通りを確認するだけの守人なのかもしれない。

 僕は僕の写真が拙いのを知っている。読者諸兄がミヤシタに足を運ぶ助けに、この写真達が役立つのを願うが、妨げになることを恐れる。

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by sakaidoori | 2007-06-16 12:48 | ミヤシタ


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