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栄通記

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2007年 06月 14日

221) 札信ギャラリー 「NAS展」・油彩 ~6月23日(土)まで 

○ New Art Study(NAS 新美術研究)展

 会場:札信ギャラリー
     南2西3札幌信用金庫地下1F・駅前通り西向き
     電話(241)2121
 会期:2007年6月12日~6月23日(土)・日曜日は休み
 時間:10:00~18:00(最終日は17:00まで)

 小品ばかりのグループ展です。
 出品作家:梶原葵 石丸典 ヨーコ脇 百水 碓井良平(代表) の5名。

 階段を降りきったところに受付テーブルがあり、一枚の展覧会趣意書が置いてあった。全文を紹介します。

 「NASは、まる1年半の準備期間を経て、大通美術館の最奥にひっそりと誕生することになりました。
 一般にみられる何らかの企てや目的は最初から一切なく、ただただ愚直に様々な材料を駆使し、材料と戯れ、コミニュケーションをすることによって、結果として表現へ行き着くことを主眼として制作してまいりました。
 ですから、今回の展示行為(展覧会へのすべての活動)も自動性の結果と見ていただいて過言ではありません。
 先ず作家ありきの「個性」と称する考えを前提とした表現は、もはや硬直化し閉塞状況にあると推定して、「個性」を競う世界から一旦はなれて、自らの柔軟な潜在能力を引き出すためのWork Shopであることが、良質な作物をつくるための近道と考えます。
 NASのメンバーは材料を単なる作り手の手段と考えず、材料と合作する態度が大事と考え、それが即ち独自性を活かす最高の方法としています。自己の感覚、思考さえも素材と考える制作は、今後さらなる深さを増し拡大していくことせしょう。
 まだまだ各自の試行錯誤がつづくことでありましょう。その過程の一端を今回、ご高覧いただき、厳しいご批判、賜りますれば幸甚です。
                    NAS代表 碓井良平」

 それでは作品を紹介します。

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           ↑:石丸典。

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           ↑:梶原葵。

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           ↑:ヨーコ脇。

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           ↑:百水。

 このギャラリーの壁面は鉄板でできていて、作品を展示するために溝を利用するようになっている。だから、その溝の横線が最大の特徴といってもいいだろう。今展はその溝の間に作品が収まるように、小品ばかりの展示である。各自のスペースで配置している箇所と、二箇所ほどシャッフル状に展示している。厳密には作風は異なってはいるが、ランダムな中から、それぞれの作品を言い当てるのは難しいだろう。
 鑑賞当日は脇さんと梶原さんがいて、取り留めのない会話をしてきた。梶原さんのは色の配置で軽重を楽しんでいる感じ。鏡に取り付けた作品が一番好きだと言っていた。他の作品とムードが違っている。あまりに傾向が違うので少し戸惑う。
 脇さんはたまたま赤の作品が多かったので、それだけを写真に撮ってみた。ことさら強いメッセージを込めたとは思わない。全体に重くもなく軽くもなく渋いという印象。
 お二人に趣意書の補足説明を求めたが、代表の意見であってあまり深くは考えていないと、笑っておられた。きっとそうなんだろうが、積極的に言葉では言えない緩い相互信頼があるのだろう。作品の作家当てなどをして遊んできた。石丸さんは中に中に迫る描法で、小品でも個性の強い人だ。百水さんはかなりの高齢の人で、元気元気が漂っていた。華やかな帯のようだった。

 以前、碓井さんは作品の匿名性ということを展覧会の会場で書いておられた。だから、作家の「個性」とか、「個性を前提にした自己表現」ということに全面的信頼を寄せていないことは知っていた。美術表現を素材や人間を含めて関係性で捉えたいのであろう。賛否はともかくとして、言葉で言いたいことが展示会で成功している、あるいは深く試みているとも思えないところがあるから、これからも、より分り易い言葉を交えて活動していただきたいと思う。今展もことさら普通のグループ展と特別に変わった点は見受けられない。続けられることによって、確かな形になるのだろう。
 (碓井さんの作品の撮影を忘れてしまいました。全く他意はありません。すいませんでした。)

 

by sakaidoori | 2007-06-14 22:54 | 札信ギャラリー 


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