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栄通記

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2007年 06月 13日

218) 時計台 小川享子展」・油彩 ~6月16日(日)まで

○ 小川享子展

 会場:時計台ギャラリー 2階C室
    北1西3 札幌時計台文化会館・中通り南向き
    電話(011)241-1831
 会期:2007年6月11日(月)~6月16日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)


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 (↑:「想・(大地)」・F130)
 
 風景画です。
 小川さんの特徴は何と言っても近景の草むらの様子を広く描いていることです。100号以上の絵の半分ほど割いています。そこが何より気に入って、紹介したくなりました。そうは云っても、この近景と風景画全体の呼吸関係はよく分りません。草むらを引き立たせたいために、背景としての遠景があるのか。、逆に薄く靄のかかったように見える遠景に想いをはせたいから、近景を異様に大きく描いているのか判断はつきかねます。分っているのは、草むらに住む生き物達が可愛くていとおしくて、ついつい描き込んでいっているように見えることです。背景を排除してこの草むらだけを独立させ、中に中に入っていくと藤本俊子の絵になるのでしょう。俊子が草むらの生き物を描くと、対象の生命力を超えて、作家自身の生きる意欲、我執、怨念までも生き物は背負わされてしまいます。あまりに中にのめり込みそぎて、狂おしくなります。小川さんが将来どうなるかは分りません。画題と描き手との距離が安定しているように見えるので狂おしいまでに入り込むことはないでしょう。あくまでも筆跡をしっかり残し、生命の讃歌を全自然の中で表現したいのでしょう。
 公募展的様式美は感じますが、靄の中の明瞭で細く鋭い輪郭、草むらの中の動植物を一つ一つの明るくいとおしむように描きこむ軽やかさ。当然、風景を描きたいのでしょうが、全てを描きこむマクロ的風景にこだわらなくてもいいのではと思ったりしました。中景・近景が男の目・男の手法で、草むらの近景が女の目に見えたりしました。

 草むらへの着眼を楽しんで来ました。

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 (↑:「晩夏・(想)」)

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 (↑:「待春・(想)」)

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by sakaidoori | 2007-06-13 14:15 | 時計台


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