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栄通記

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2007年 06月 01日

202) 時計台 「徳丸滋展」・油彩 ~6月2日まで

○ 徳丸滋展

 会場:時計台ギャラリー 2階A室
    北1西3 札幌時計台文化会館・中通り南向き
    電話(011)241-1831
 会期:5月28日(月)~6月2日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)

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 徳丸作品が札幌にやってきた。毎年のことだから格別のことでは無いが、今年はどんな作品を持参するのかと思うとなんとも楽しいものだ。

 今年の作品は地味だ。暗くなったとか、わびしくなったとかの意味ではない。色とりどりの木々の作品を脇に置いて、すっきりした形で自然にたたずむ木を、そのシルエットを僕たちの前に見せてくれるのだ。僕が選んだ今展を飾る代表作4点を冒頭に写真紹介しました。飽きることなく見ていただきたい。これらは入り口正面とコーナーに順番に並んでいるのです。特にピンクのカラマツは大作で、一昨年の神田日勝記念館のために制作されたものです。札幌では初の展示です。いえ、全ての作品が札幌での初出品です。黄色のカラマツは最新作です。

 徳丸氏はいつもいつも自然を見ている。自然の光の中で絵を描いている。若い時は自然を見て見て見尽くして、細部まであらわに浮き彫りにして絵画表現に努めていた。芸術家の目であったが、科学者の目でもあった。ダ・ビンチと同じだ。生命の秘密を自分の目を頼りにえぐりださんとする態度だ。70歳を過ぎた今でも眼光の鋭さは衰えてはいない。優しい表情と一体化した目は常に大きく見開いている。とても優しい目だ。優しくても画家の目は怖い。現世の瑣事を突き抜けた眼差しがある。
 若き頃の自然に対峙する目は、現在では自然そのものでありながら自然とは離れたキャンバスの世界に注がれる。薄く下塗りされた地肌に何かが生まれる瞬間を飽きることなく見ているのだ。滲み出てくる像は芸術の姿を借りた自然かもしれない、徳丸氏自身の幻影かもしれない。それをあたかも模写するかのようにより鮮明に立ち上げるのだ。書家が「一」という字をを書く。強さ弱さ、スピード感の刻された書跡は書家自身のリズム・テンポ、情動そのものである。その字が書家の手を離れて一人で動き出そうとする時がある。あたかも墨の筆跡が生き物のように見える時がある。徳丸絵画は結果において書に通じるかもしれない。強いタッチをキャンバスに込めない。あたかも模写するようにキャンバスの幻影を取り込む。するとその像がキャンバスで浮遊するかの様に振舞うのだ。

 氏の絵画に徳丸氏の私的幻想を見るのもよし、徳丸フィルターで捉えられた自然の再来と見るのもよし・・・・僕は飽きることなく見続けたいものだ。


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(明日、作品タイトルを書きます。)

by sakaidoori | 2007-06-01 11:36 | 時計台


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