栄通記

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2007年 05月 28日

196) マカシブ 「藤谷ドローイングライブ」 終了(5月27日)

○ 藤谷康晴ライブドローイング 
       -半透明 肉体関係ー

 会場:北海航測マカシブ
     中央区北3西17-2-36 ㈱北海航測1F・近美北側
     駐車スペース数台あり。現地付近の地図 
 日時:5月27日(日)
     9:30オープン、10:00スタート、18:00終了
     10時から18時まで描き続けます。

 ㈱北海航測・マカシブ、三岸美術館の向かいから西に1丁程歩いたところにある。立派な建物で、会社の会議室のような空間でのライブだ。

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 いままで何度かしているが、手を変え品を変えいろんなやり方でパフォーマンス(落書き)を続けている。そうは云っても、幾つかの約束はある。描かれる物へのこだわり。今のところ素材は違っても紙類だ。タイトルとのにらみ合いで色や紙質を決めているようだ。今回はDMに使われたトレーシング・ペーパー。壁を汚してはいけないという場の制約が、結果的には壁に何かを貼って、その中に彼自身が居るという構図になっている。神田日勝に「室内」という作品がある。壁中に新聞を貼り、その中で生活品を辺りに散らかし、ぽつねんと作家が座っている作品だ。おそらく藤谷君は許されることならば床から天井から壁まで全部を自分の筆跡という痕跡で囲まれたいのかもしれない。窓はいらない。光がまぶしい。自分自身の力が光だ。音楽はいらない。自分の筆さばきが発する音があれば充分だ。

 マカシブは広い部屋だ。色気の無い事務室だ。駐車場の見える窓から光が一杯に入り、タイルの床は輝き、壁が益々白い。藤谷は白壁に遊ぶように落書きをして行く。トレーシング・ペーパーに黒いカーボンをあて、右手の5本指でかきむしっていく。指跡は転写され模様が姿を現す。かきむしるというより、こちょぶるといったほうが正確かもしれない。「考古学者が大地を優しく剥いでいく。女体に触れるように」と前回の記事で書いた。その言葉に合わせるならば、「女体をガーゼで包み、指が這いずり回り、女体に何かを伝えようとしている」と。単なる男の想いかもしれない。美への止みがたき憧れかもしれない。芸術を極めたいと言う願望かもしれない。

 多くの人が彼の「自己格闘」を見に来た。静に魅入る人、驚きで笑みを浮かべる人、雑談に戯れる人、長く居る人、知人に目配せしてソーっと帰る人・・・満足したかどうかは知らない。だが㈱北海航測など知らない人がほとんどなのに、本当に嬉しいことだ。近美の「空海展」の後の人も居たかもしれない。曼荼羅の暗い空間から、青年のあけっぴろげの「明るきエロス」も一つの美術。
 6月も予定が組まれています。変な場所ですが期待してください。

 場の管理者である社長さんも素敵なスタイルで1日中居られた。社長の計らいで報道関係者が来ていたが、手には社長から送られた藤谷君の数枚の資料を携えていた。マカシブが今後どうなるかは知らない。仮に社長の一時的なアイデアで発表の場を提供したとしても、今展に寄せる社長の態度は真剣なものだ。笑顔を絶やさず社長風もなく本当に良い人だ。願わくば小なりとも企業人として作家達やその環境を今後とも支援して頂きたい。

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 (↑:左、道新の記者さん。右、社長さん。)


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by sakaidoori | 2007-05-28 14:51 | マカシブ


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