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栄通記

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2007年 05月 09日

174) タピオ 「竹内はるみ個展」・油彩 ~5月12日(土)まで

○ 竹内はるみ個展

 会場:タピオ
    北2西2・中通り東向き・道特会館1F
    電話(011)251-6584
 会期:4月30日(月)~5月5日(土)
 時間:11:00~19:00

 1941年 山形県三川町生まれ
 1981年 新道展初入選
 1993年 新道展会員推挙
  現在恵庭市在住、札幌初個展

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 ↑左側3点1組で「里の夜」。右側2点1組で「里の風」。


 「お尻にめざめた・竹内はるみ」

 大胆で嫌らしくないお尻の裸婦(「里の夜」の組絵の一点)が気に入った。大きな足、大きな手、顔を目の辺りから省略して全体を四角の枠にきちっと入れて大きく表現している。お尻の辺りが照明で明るくなっているが、僕の好みとしてはこれくらいに原画も白を強調して、「明るく、健康的な、ま~るいお尻」であっても良いと思う。この絵は一月前に見た。大丸藤井の恵庭の関係者の展覧会だった。若い絵と思った。若い方の絵とも思った。今展で彼女の絵画傾向を初めて知った。目立つ旧作よりも、シンプルな構図と人物が画面から浮き立つような新作のほうがはるかに良い。特に、「お尻の絵」は彼女にとっては新機軸ではないだろうか。絵は嘘を描くものだから、描くことによって恥じらいや、てらいを晒して、そうすることで更に自分の中の表現したい「何か」を自覚したり、時には自然に画布の中から「何か」が立ち上がってくるのではないだろうか。そういう作品を見たときに、こちら側も自分の中の何かに灯がつき楽しくなってくるのだ。作品を通して作家と会話をしているような気分になってしまう。もちろん誤解である。違う価値観をもった人間同士がほんのつかの間であっても、「わくわくする誤解」によって、他者との接点が開き相手の違う価値観に迫っていけるのではないだろうか。絵の果たす機能というか、力だと思う。

 展示に関して残念な点。
 目立つ壁の全面に、かなり古い大作3点を一同に配している。その作品を挟むように最近作の中品が並んでいる。おそらく、過去と現在の対比と、記念的な旧作を札幌初個展で展示したかったのだろう。けっして大きくない会場での、この旧作3点は多すぎたと思う、場所も一等地を与えすぎたと思う。展示経験の不足が会場構成を失敗したと思う。「お尻にめざめた」竹内さん、次はより現在の作品を前面に出して、会場構成に努めてください。

 会場で竹内さんに、これからは「お尻の人・竹内」で行きますか、と投げかけると楽しく笑っておられた。お尻中心の作品はなかなか難しいと思う。その正面や横からのヒップ・ライン、色合いなど、男の画家とは違った女の目を通したお尻の美の世界があると思う。
 他の作品についての感想が無くてすいませんでした。

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 ↑正面左:「祭」。正面右:「室内2」。他に「祭」の左に「室内1」が旧作3点セットで並んでいます。」

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 ↑左から「海風」、「岳の人」、「遊」。

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by sakaidoori | 2007-05-09 10:38 | たぴお


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