2007年 05月 05日
○ 第5回 青青社書展 主宰 竹下青蘭 会場:札幌市資料館2Fミニギャラリー1・2室 大通西13 (旧札幌控訴院) 電話(011)251-0731 会期:4月10日~4月15日(日) 時間:9:00~19:00(最終日は18:00まで) ![]() 同社は88年創立、3年ぶりの同じ場所での開催。漢字4点、前衛書25点の出品。 ![]() 書とは紙に字を墨のついた筆で書かれた物ーと理解している。字が判読できるかできないか、古語か現代語かは問わない。紙・字・墨・筆ーこの四つが基本だと思う。そして、目の前に累々とした歴史に刻まれた書を見るわけである。表現されたものは表現者・社会・時代によって微妙な質的違いを生じているであろう。書史があらたな書を築き今日に至っているのであろう。書を成り立たせていた社会基盤は一旦は江戸時代で終わった。「個人主義と書」の時代の到来である。だが、「和魂洋才」と言う言葉の前に中途半端に書は芸術的領域を占めていたが、日米敗戦によって「個人主義と自由な自己表現と書」という時代が到来し今日に至ったのではないか。そこには視覚表現としての絵画・美術との関係を模索するようになり、絵画が抽象表現という領域を切り開いた時に、書はいかに時代の美的要求に応えるかという形で前衛書が生まれたのではないだろうか。書と絵画の違いを突き詰めて考えた時、「字」が違いの全てであると思う。字を無視すれば書の筆の運びとしての躍動感、線の構成美、書かれていない空間との余白美と絵画の一分野となるであろう。おそらく前衛書は字を捨てたが書は捨てていないのであろう。「目に見える字」は捨てたが、字を筆で書くために築いた書法を守るということが、「書の精神(書法にのっといて)で筆を運ぶ」ということが前衛書を書たらしめているギリギリの境界線であろう。 しかし、書が字を捨てた時、本当に自由な書的自己表現が万人にできるのであろうか?今展の大半は青蘭風であり、よく見かける創書の勢いの強い字との混合の様相を呈している。書道界が社中というかたちで大衆文化としてしっかりと地歩を築き、人気があるのは否定しないし文化的意義も充分に認める。だが、精神修養としては素晴らしいものがあると思うがどこまで「個の自由な自己表現」ができるのであろう。僕は初めの頃、臨書を随分馬鹿にしていた。臨書は大事なことである、身内の相互批判に使われるべきであると思うが、門外漢の鑑賞者に模写した書を見せることにどれだけの意味があるのか疑問に思っていた。ところが見慣れると一字書の創書よりも面白いのだ。失礼だが創書は創造という冠をつけているがどれも似たような筆遣いで飽きてしまうのだ。約束を忠実に守って、それでもでてくる個人の書の力量、個性の方が面白いのだ。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]()
by sakaidoori
| 2007-05-05 19:52
| 資料館
|
アバウト
![]() 丸島 均。札幌を中心に美術ギャラリーの感想記、&雑記・紹介。写真は「平間理彩(藤女子大学写真部OG) 『熱帯夜』組作品の一点」。巡回展「それぞれの海.~」出品作品。2018.8.30記。2577)に説明有り。 by sakaidoori カレンダー
検索
最新の記事
ファン
カテゴリ
全体 ★ 挨拶・リンク ★ 栄通の案内板 ★アバウトの写真について ★ 目次 (たぴお) (時計台) 市民ギャラリー (写真ライブラリー) さいとう 大丸藤井スカイホール (ユリイカ) ミヤシタ テンポラリー af 北専・アイボリー CAI(円山) CAI02(昭和ビル) (大同) アートマン アートスペース201 大通美術館 STVエントランスホール コンチネンタル 資料館 門馬・ANNEX 百貨店 (カコイ・ミクロ) 4プラ・華アグラ 石の蔵・はやし (シカク) ☆道外公共美術館ギャラリー (アッタ) 奥井理g. ★ 案内&情報 ★ 訪問客数 ◎ 樹 ◎ 花 ◎ 山 ◎ 本 ◎ 旅・飛行機・船 ◎ 温泉 ◎ 個人記 ◎ 風景 ◎ 短歌・詩・文芸 ☆★ ギャラリー巡り 写真)光映堂ウエスト・フォー (いろへや Dr.ツクール) JRタワーARTBOX ポルト 写真)富士フォト・サロン 道新プラザ 紀伊國屋書店 S-AIR ◎ 自宅 (ニュー・スター) 札信ギャラリー (マカシブ) (自由空間) 真駒内滝野霊園 サード・イアー (どらーる) 区民センター ★★ 管理人用 山の手 富樫アトリエ (プラハ2+ディープ) ★ギャラリー情報 ★ パンフより 創(そう) (オリジナル) ATTIC 美容院「EX]内 ADP 粋ふよう エッセ ◎ 雑記 ★「案内版」アバウトの写真 ☆北海道埋蔵文化センター ☆三岸好太郎美術館 ☆本郷新彫刻美術館 ☆芸術の森美術館 ☆函館美術館 ☆札幌・近代美術館 ☆モエレ沼公園 ☆旭川美術館 ☆北海道開拓記念館 ☆帯広美術館 ☆関口雄揮記念美術館 (☆夕張美術館) ☆(倶知安)小川原美術館 ☆(岩見沢)松島正幸記念館 ☆(室蘭)室蘭市民美術館 ☆北武記念絵画館 ★その他 【道外・関西】 ー [石狩] [ニセコ]有島記念館 [岩見沢]キューマル 他 [音威子府] [深川] [苫小牧]博物館 [洞爺] ☆小樽美術館 市民ギャラリー [美唄] [江別] [室蘭] [小樽] [帯広] [恵庭] 夢創館 【北広島・由仁】 [函館] [夕張] [三笠] [赤平・芦別] 【幌加内(政和)】 (くらふと)品品法邑 (茶廊)法邑 (カフェ)れんが (ブックカフェ)開化 (カフェ)アンジュ (カフェ)北都館 (カフェ)エスキス (画廊喫茶)チャオ (カフェ・soso) (カフェ)ト・オン (カフェ)アトリエムラ (カフェ)サーハビー 槌本紘子ストックホルムキ記 (画廊喫茶)仔馬 (ギャラリー&コーヒー)犬養 Plantation CAFE BLANC(ブラン) - コレクション ■ 複数会場 公共空間 ー ◎ 風景 新さっぽろg. ー ○ 栄通日記 学校構内 ー ◎ライブ路上パフォーマンス 道銀・らいらっく (コジカ) ▲個人特集 (風景)サイクリング・ロード (風景)札幌・都心 A.S.T(定山渓) 趣味の郷 公共空間・地下コンコース 六花亭 ◎今日・昨日・最近の風景 500m美術館 Room11 アルテポルト・ART SPACE サテライト 【2010年旅行記】 【2010年 ロシア旅行】 【海外旅行】 【2012年上海旅行】 【震災跡地2回目の旅】 【2013旅行記】 ◎ 川・橋 OYOYO コケティッシュ ・我が家 レタラ カモカモ 北のモンパルナス チチ クロスホテル札幌 黒い森美術館 Caballer ▲原田ミドーモザイク画 SYMBIOSIS (ハルカヤマ藝術要塞) 群青(2016) チカホ space1-105 100枚のスナップを見る会 北海道市民活動センター 群青(2018) HUG(教育大文化施設) 札幌グランピスタ 大洋(大洋ビル) - 未分類 タグ
個展(242)
グループ展(183) 油彩画(183) 企画展(153) インスタレーション(115) その他(98) 学生展(93) 現代美術(74) 写真(71) 公募展(70) 写真展(59) 総合・複合展(43) 温泉・山・旅行・雑記(42) 彫刻・金属・ガラス・陶(40) 日本画(38) 北海道教育大学(37) 版画・イラスト(31) シルクスクリーン(26) 藤谷康晴(25) 卒業展(24) リンク
○ 美術関係以外
古い日記 (サカイ・ヒロシさんのブログ) ○ 美術愛好家のブログ Ryoさんのイートアート (サカモト・キミオさんのH.P.) 散歩日記V3 (SHさんのブログ) ○ 表現者のブロブ(相互リンク?) Photo Foto Blue (コバヤシ・ユカさんのブログ) 水彩の旅 (タケツ・ノボルさんのH.P.) アートダイアリー (マエカワ・ヨシエさんのブログ) 画像一覧
最新のトラックバック
以前の記事
2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2017年 08月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 02月 more... ブログパーツ
その他のジャンル
記事ランキング
ブログジャンル
|
ファン申請 |
||