栄通記

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2007年 04月 23日

154) 時計台 「デュポア康子個展」・油彩画 4月21日まで(終了)

○ デュポア康子個展

 会場:時計台ギャラリー 2階A・C室
    北1西3 札幌時計台文化会館・中通り南向き
    電話(011)241-1831
 会期:4月16日~4月21日(土)
 時間:10:00~18:00 (最終日17:00まで)


 自由な女(を描く)・デュポア康子。

 メイン会場・A室にはやや暗いデザイン的な背景にスカートを着た細身の女性達、その大作群の中に似た図像の小品が挟まれている。大作のタイトルはほとんど「呼吸」。チョッと絵とタイトルが繋がらなくて判断停止。「女の呼吸」はどこか甘美でなまめかしい、この絵にはそういうエロティシズムは感じられない。
 大部屋をぐるぐる廻っていてもらちがあかない。気付けば廊下を挟んだC室でも彼女の作品が展示されているようだ。これ以上似た絵を見るのは辛い感じだが、やはり見届けなければならない。

 以外にもA室の観者に何かを迫る堅苦しさはなく、「私は普段こういう絵も描いているのですよ」と語りかけているようだ。ほとんどが小品。札幌市内の風景のデッサンもある。やはり彼女張りの油彩の小品もあるがかなりムードを異にしている。タイトルが違和感なく絵に読み取れる。「夏を顧みる 3号」、「風に乗って 6号」、「一瞬の刻 S」、「トライアングル 4号」、「風に乗って SM」、「庭へ出て」、「踊る女」、「対立」、「夏を満喫」、「木陰」、「ラウンジ」、描かれた女性のその場その場の気持ちが心地良く立ち込めている。時間の移ろいにも抗することなく軽やかに楽しんでいる。あー、そうなのだ、自由な女心を描いていると思った。そういう目で、もう一度A室の女達を見に行った。屋内ではあるが彼女達が颯爽とした姿がそこに見て取れる。画中の複数の女性は一人の女の心の自由の立ち居姿かもしれない。あるいは、複数の自由な女の相互不可侵の関係かも知れない。「私の呼吸、あなたの呼吸、それはそれでいいじゃない」。大作の絵に赤が増えた。小品の女達が時空の軽やかな女心だとしたら、大作はそんな軟な表現ではもったいない。強い自由を色に託しているのではないだろうか。それにしても、うつむいた女は何なのか?上向きの方がより強く見るものに迫ると思うのだが。狭い屋内という空間である。画家・デュポア康子女史の屈折を思った。


 絵画制作に触れれる鑑賞上の楽しみが有ります。大作のためのエスキス(下絵)を展示しているのです。あるいは、エスキスとして描いた作品が試行錯誤して別の大作になった絵もあります。大作が出来上がる過程を想像できて面白い。以下、そういう視点で何点か写真紹介します。

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 全て最近作です。これほど赤が強いのは珍しいでしょう。少しくらいですが洋風的カラフルさが前回の個展にはあったので、この作品群には驚きです。といっても激しい筆使いではなくい。真ん中の小品と右端の大作が近縁関係。アップにします。

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 作家の説明によると上の小品を元に下の大作を仕上げる予定であったが、全然別の作品になったとのこと。
 上の作品は二人ともうなだれ、構図が十字になっている。宗教的諦念さが漂っている。部屋に飾るイコンのようだ。絵としては良い絵なのかもしれないが、個人的には好まない。下の作品はそういう宗教色で大きく書き上げることに抵抗があったのではなかろうか。強い絵になっていると思う。


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 上の小品は下の大作のエスキスです。


 

by sakaidoori | 2007-04-23 13:21 |    (時計台) | Trackback(1) | Comments(0)
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Tracked from 北海道美術ネット別館 at 2007-05-29 23:55
タイトル : ■デュボア康子展 (4月21日で終了)
 エントリのアップが大幅におくれているうちに、5月22−30日に東京都美術館でひらかれている第61回女流画家協会展で、デュボアさんが会員に推挙されたという記事を、北海道新聞で読みました。  すでに会員かとばかり思っていました。  デュボア康子さんは札幌在住の全道展会員。  時計台ギャラリーでは隔年で個展をひらいています。  筆者は、デュボア康子さんの絵は、全道展に典型的なものだと思っています。  つまり、線や色の美しさが最大の眼目であり、絵の中に作者の思想めいたことを持ち込むことを「文学的だ」とし...... more


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